米政府の監視活動を内部告発した元米中央情報局(CIA)職員のEdward Snowden氏を巡り、米司法省は同氏が米国に送還された場合、死刑を求刑することはないとロシア政府に誓約したことを、複数の米メディア(CBSNewsWall Street JournalNEW YORKERなど)が現地時間2013年7月26日に報じた。

 Eric Holder司法長官はロシアのAlexander Konovalov司法大臣に7月23日付けで文書を送り、「Snowden氏が現在問われている罪では死刑にならない。もしさらに重大な罪が加わったとしても死刑を求刑されない」と説明した。また、「Snowden氏が拷問されることはない。拷問は米国では違法だ」と付け加えた。

 いまだモスクワのシェレメチェボ空港に滞在中と見られているSnowden氏は、ロシア政府に一時亡命を申請した際に、米国に戻れば拷問されるか死刑になる恐れがあると主張したと伝えられた。今回公開された司法長官の文書は、Snowden氏を亡命者あるいは難民として認められないようするのが狙いだとメディアは報じている。

 司法長官の文書では、Snowden氏は民事裁判所に送られ米国の法律で認められているすべての保護が保障されることを強調。同氏はこれまでのところ、政府資産の窃盗、国家防衛関連情報の漏えい、未承認の人物への極秘情報伝達の3つの容疑で訴えられており、有罪になれば最大30年の禁固刑が命じられるという。

 なおSnowden氏については中南米諸国の一部が受け入れる意思を表明している(関連記事:ボリビア、ニカラグア、ベネズエラが元CIA職員の受け入れを表明---米メディアの報道)。