米政府による通信情報収集の問題を告発した元米中央情報局(CIA)職員のEdward Snowden氏を巡り、ボリビアが受け入れを表明したと複数の米メディア(USA TODAYCNNなど)が現地時間2013年7月6日に報じた。

 報道によると、ボリビアのEvo Morales大統領は同日、Snowden氏を受け入れる用意があると発言。しかし正式な亡命申請を受け取ったかどうかについては明らかにしていない。Snowden氏は、まだモスクワのシェレメチェボ空港に居ると見られている。

 Morales大統領は先週、ロシアから帰国する際、Snowden氏を飛行機に同乗させているのではないかとの疑いからフランス、イタリア、ポルトガル、スペインが上空通過を拒否したため、オーストリアに緊急着陸しなければならなくなった。同大統領は、米国と欧州のこうした行為に抗議する意味で亡命受け入れを決断したとしている。

 ボリビアに先立ち、ニカラグアのDaniel Ortega大統領とベネズエラのNicolas Maduro大統領も7月5日に受け入れる意向を示している。Maduro大統領は「米国の迫害からSnowden氏を守るために、同氏の人道的保護を決定した」と述べ、Ortega大統領は「米国が技術を用いて世界中でスパイ活動をしていたことを知って良心の呵責にさいなまれている人を助ける権利が当国にはある」とし、モスクワの大使館が亡命申請を受理したことを明らかにした。

 Snowden氏は7月2日までに合計21カ国に亡命申請を出したが、多数の国が消極的な反応を示している。またVladimir Putinロシア大統領が受け入れの条件として「米国に損失を与える行動をやめること」を挙げると、ロシアへの亡命申請は撤回された(関連記事:元CIA職員、新たに19カ国に亡命申請、ロシアへの申請は撤回---米メディアなどの報道)。

 なお同氏を支援している内部告発サイト「WikiLeaks」は公式Twitterアカウントで7月5日、さらに6カ国に亡命申請を提出したことを明らかにした。今回は国名を明かしておらず、「米国の妨害を避けるため」と説明している。