写真1●中国移動通信向けに提供している中国語版「dゲーム」
写真1●中国移動通信向けに提供している中国語版「dゲーム」
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写真2●ビデオや電子書籍など様々なコンテンツを扱っているこを紹介
写真2●ビデオや電子書籍など様々なコンテンツを扱っているこを紹介
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写真3●参考展示されたオムロンヘルスケアの3G通信モジュール内蔵血圧計
写真3●参考展示されたオムロンヘルスケアの3G通信モジュール内蔵血圧計
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 NTTドコモは2013年6月26日から28日まで中国・上海で開催されている「Mobile Asia Expo 2013」に昨年に続き出展、日中韓のNFC相互利用やM2Mといった展示のほか、中国版の「dゲーム」や参考出展されていたオムロンヘルスケアの3G通信モジュールを組み込んだ血圧計など、上位レイヤーのサービスで注目を集めていた。

 中国版のdゲームは、マルチキャリア対応の日本のdゲームとは異なり、中国移動通信(チャイナモバイル)のアプリマーケット内で展開するゲーム配信サービスの一つ(写真1)。ディー・エヌ・エー(DeNA)のゲームプラットフォームである「mobage」などと並ぶ位置付けのサービスである。日本のゲームコンテンツの中国への展開を後押しするもので、2013年3月26日から提供している。

 展示ブースではdゲームをデモするだけでなく、同社がビデオや電子書籍など様々なコンテンツをマーケットプレイスで扱っていることを紹介(写真2)。現在OTT(Over the top)との対抗策を各国の携帯電話事業者が模索している中(関連記事)、携帯電話事業者の新規事業の一つとして海外の携帯電話事業者からも注目を集めている。今後の海外展開として、dアニメストアをフランス、台湾でも提供する予定だという。

 もう一つ、“携帯電話事業者らしからぬ”展示として注目を集めていたのが、3G通信モジュールを組み込んだオムロンヘルスケアの血圧計だ(写真3)。通信モジュールを組み込む点としてはコンシューマ向けのM2M関連展示ともいえるが、同製品は単に通信モジュールを組み込んだだけでなく、血圧の測定データを自動転送し、血圧分析が受けられるサービスと一体になっている。製品はオムロンヘルスケアが販売しているが、通信モジュールをNTTドコモが提供している。

 移動体通信事業者や関連企業からなる業界団体のGSMAでは、今後のモバイル利用が進む注目分野の一つとしてヘルスケアを挙げている。今回の展示はそれに呼応する意味もあるが、日本に続き高齢化が急速に進んでいる中国でもこうしたヘルスケア分野は注目されており、同展示にもひっきりなしに来場者が足を運んでいた。オムロンの血圧計は世界的にも高いシェアを占めているといい、中国でもブランド名が認知されているという。今後、各国の医療制度や法律などをかんがみ、世界展開を検討していくという。