写真1●Mobile Asia Expo 2013が開幕
写真1●Mobile Asia Expo 2013が開幕
建屋の壁の大きく掲げられた中国移動通信の「4G」の宣伝
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 2013年6月26日、GSMAが主催するモバイル関連の展示会・カンファレンス「Mobile Asia Expo 2013」(MAE)が中国・上海で開幕した(写真1)。基調講演には、GSMAの会長であるテレコムイタリア、中国移動通信(チャイナモバイル、以下中国移動)、韓国KT、オーストラリアのテルストラの各携帯電話事業者トップが登壇、モバイルデータ通信の引き続きの伸びと新興国市場を中心としたさらなるモバイルユーザーの拡大といった現状を共有するとともに、将来を展望した。なお昨年はNTTドコモの加藤薫社長もこの基調講演に登壇した(関連記事)。

写真2●タブレット所有者の41%がテレビを見ながら使っている
写真2●タブレット所有者の41%がテレビを見ながら使っている
建屋の壁の大きく掲げられた中国移動通信の「4G」の宣伝
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 GSMA会長でテレコムイタリアのCEOであるFranco Bernabe氏は、アジアのモバイル接続件数が2017年までに15億、さらにその次の5年で19億にまで増加し、世界のモバイル接続数の半分をアジアが占めるといったインパクトを説明する一方で、足元を見るとコンシューマのモバイル機器の使い方も変わってきていると説明。タブレット所有者の41%、スマートフォン所有者の38%がテレビを見ながらそれらの機器を使っているといった例を挙げ(写真2)、マルチスクリーンを前提としたユーザーエクスペリエンス(UX)が求められていることなどを述べた。

写真3●中国移動 Executive Director and ChairmanのGuohua Xi氏
写真3●中国移動 Executive Director and ChairmanのGuohua Xi氏
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 世界最大の契約者数を抱える中国移動 Executive Director and ChairmanのGuohua Xi氏(写真3)は、まず中国移動だけの数値として2012年の1年間で119%データトラフィックが伸びたことを示しつつ、トラフィックの伸びが携帯電話事業者にとって新たな収益機会のチャンスであるとともに、ネットワーク投資に対するプレッシャーとなり、チャンスは一方でOTT(Over the top)への挑戦となることを指摘。データトラフィック増加に対する一つの解決策が「4G」の普及であるとし、同社が現在トライアルで展開しているTD-LTEの現状を説明した(写真4)。