米Sprint Nextelは現地時間2013年6月25日、同社の株主がソフトバンクによる同社買収を承認したと発表した。同日開催された株主総会で投票が行われ、支持票が議決権の約98%(発行済み普通株式の約80%)を占めた。

  SprintのDan Hesse最高経営責任者(CEO)は株主の承認に感謝の意を示し、「ソフトバンクとの取引は、財務柔軟性の高い企業を生み出し、当社の長期的価値と競争的地位を強化することになる」と述べた。

 今後、米連邦通信委員会(FCC)の承認を得たのち、7月上旬に取引を完了する見込み。

 ソフトバンクは約216億ドルを投じ、新生Sprintの株式の約78%を取得する。Sprint株主は、Sprintの普通株1株につき現金7.65ドルまたは新生Sprintの普通株1株を受け取る。

 ソフトバンクとSprintは2012年10月に、ソフトバンクがSprintを201億ドルで買収することで合意したと発表。しかし米DISH Networkが2013年4月に買収額255億ドルの対抗案を提示。ソフトバンクは6月11日に買収額を216億ドルに引き上げ、DISHは買収を断念する意向を6月18日に明らかにした(関連記事:ソフトバンクがスプリント買収に大きく前進、ディッシュが対抗案を断念)。

 またソフトバンクのSprint買収計画に対しては、米当局が国家安全上の懸念を示し、FCCに判断保留を要請して調査を行ったが、6月7日に審査終了を通知し、判断保留要請を取り下げている(関連記事:米司法省、ソフトバンクによるSprint買収計画の判断をFCCに許可)。

 なおSprintは、完全子会社化を目指す米Clearwireを巡ってDISHと争っている。今月、DISHがClearwireに提示した買収案は違法だとして米デラウエア州の衡平法裁判所に提訴し、買収額をDISHの1株4.40ドルを上回る1株5.00ドルに引き上げた。Clearwireの株主投票は7月8日に行われる見込み(関連記事:SprintがClearwire買収額を引き上げ、DISHの提示額を上回る1株5ドル)。

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