写真1●日立WANアクセラレータ オフィスモデルの外観
写真1●日立WANアクセラレータ オフィスモデルの外観
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写真2●日立WANアクセラレータ リモートバックアップモデル[150Mタイプ]の外観
写真2●日立WANアクセラレータ リモートバックアップモデル[150Mタイプ]の外観
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 日立製作所は2013年6月12日、データセキュリティ用途などに向けて、WAN高速化装置「日立WANアクセラレータ」のラインアップを拡充し、スループットを抑えて価格を下げた二つの低価格モデルを発表した。6月13日に販売開始する。新モデルの出荷時期は、(1)「オフィスモデル」(写真1)が10月31日、(2)「リモートバックアップモデル[150Mタイプ]」(写真2)が9月17日。

 (1)新モデルの一つ、オフィスモデルは、小規模オフィス向けである。TCPセッション当たりのデータ転送速度は30Mビット/秒で、価格(税込み、以下同)は840万円から。

 これに対して、既存モデル「ハイエンドモデル」は、最も安価な「2スロットモデル」で、TCPセッション当たりのデータ転送速度が300Mビット/秒。価格は、4305万円である。

 (2)もう一つの新モデル、リモートバックアップモデル[150Mタイプ] は、海外拠点へのリモートバックアップ向けである。TCPセッション当たりのデータ転送速度は150Mビット/秒で、価格は2415万円から。

 これに対して、既存モデル「リモートバックアップモデル」は、TCPセッション当たりのデータ転送速度が1Gビット/秒。価格は、4305万円である。

独自技術でTCPの弱点を補完

 なお、日立WANアクセラレータは、往復遅延が大きいWAN環境においてデータを高速に転送できるようにするネットワーク機器である。拠点ごとに対向型で設置して使うことで、装置間の通信を高速化する。遠隔拠点にデータをバックアップするデータセキュリティ(データ保護)用途などに向く。

 特徴は、独自技術でTCPの弱点を補強していること(関連記事:日立、遠隔バックアップ用に1セッション1Gbps使えるWAN高速化装)。具体的には、送達確認を待たずに次のTCPパケットを送信するほか、パケット廃棄率に応じてデータ送信レートを動的に制御する。

 既存モデルのラインアップは、WAN高速化モジュールを内蔵/増設するハイエンドモデルが、2スロット/4スロット/8スロットの3モデル。WAN高速化モジュールを外出ししてTCPセッション当たりの転送性能を高めたリモートバックアップモデルが1モデルである。

 今回、ハイエンドモデルの廉価版に当たるオフィスモデル1種類と、リモートバックアップモデルの廉価版に当たる150Mモデルの合計2モデルを追加した形である。