写真1● 画像をタブレット端末で表示できる「SYNAPSE ZERO」
写真1● 画像をタブレット端末で表示できる「SYNAPSE ZERO」
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グラフなどで患者の病態変化を画面上に一覧表示するClinical Advanced Viewer
グラフなどで患者の病態変化を画面上に一覧表示するClinical Advanced Viewer
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 富士フイルムは、「ITEM2013 国際医用画像総合展」(2013年4月12日~14日、パシフィコ横浜で開催)で、新製品CTやMRIなどで撮影した医療用の画像をスマートフォン(スマホ)やタブレット端末で見られるシステム 「SYNAPSE ZERO」(写真1)と、検査画像や診療情報を統合管理する診療支援ビューワー「Clinical Advanced Viewer」(写真2)を展示した。

 SYNAPSE ZEROは、iPadなどの携帯情報端末で場所を問わずに、PACS(Picture Archiving and Communications System=医用画像情報システム)で管理されている画像を閲覧できるシステム。同社のPACSシステム「SYNAPSE」と連携し、医師が普段利用している携帯端末上で画像を閲覧できる(関連記事)。

 シンクライアント方式を採用。携帯端末の機種やOSを問わないのに加えて、汎用ブラウザーで閲覧できる。端末に画像や患者情報が保存されないのに加えて、患者名や患者IDなどを分からなくする個人情報匿名化機能を採用し、端末を紛失した場合の情報漏れを防ぐ。院外からのアクセス時には、IPSec-VPNや電子証明書を利用する。

 対象端末は、iPhone 4S、iPhone 5、iPad Retina ディスプレイモデル、iPad miniなどの米アップル製モバイル端末や、Android 4.1以降(ブラウザー:Google Chrome)、Windows 7以降(ブラウザー:Internet Explorer 9以降、Google Chrome)、OS X Mountain Lion以降(ブラウザー:Safari 6以降)を搭載する機種。

 診療支援ビューワー「Clinical Advanced Viewer(CA-V)」は、患者の病態変化を時系列で一つの画面上に一覧表示できるシステム。医療技術の高度化により、医師が診療で参照する検査画像や投薬・生体情報(脈拍や心拍数、呼吸数、血圧、体温など)は、増え続けている。「CA-V」は、医師が診断や治療方針を検討するために必要な診療情報を、放射線科などの各部門システムから、患者別・疾患別に取り出し、統合的に管理する。特徴は、患者単位で診療情報を時系列にグラフで視覚的に表示できる「タイムラインビュー(TLV)」。また「タイムスライスビュー(TSV)」では診療情報の全項目を表形式で確認できる。