写真●DBMoto Version 8の管理画面
写真●DBMoto Version 8の管理画面
[画像のクリックで拡大表示]

 クライムは2013年4月11日、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)のデータレプリケーション(複製)ソフトの新版「DBMoto Version 8」(写真)を発表、同日出荷した。新版では、対象データベースの拡大、APIライブラリーの提供、管理ツールの日本語化、---などを図った。開発会社は、米HiT Software。

 Windows(.NET Framework)上でスタンドアローンで動作する、データベース複製ソフトである。複製元(ソース)と複製先(ターゲット)のDBMSにデータベース接続し、DBMS間でデータを複製する。ソース/ターゲットともに、DBMSベンダーの商用製品やオープンソースなど、各種のDBMSに接続できる。

 動作モードとして、3通りの使い方ができる。(1)「リフレッシュ」は、全データを一度に複製する。(2)「ミラーリング」は、片方向で差分更新する。(3)「シンクロナイゼーション」は、双方向で差分更新する。(2)と(3)の差分更新では、トランザクションログの更新を定期的に調べ、トランザクション単位で更新する。調べる間隔を短くとることで、リアルタイムに近い複製が可能となる。

対象DBに高速DWHを追加、APIライブラリーも提供

 新版で強化したポイントの一つが、接続対象のDBMSを拡大したこと。例えば、DWH用途の高速データベースとして、「Actian Vectorwise」(関連記事:NST、ベクトル処理とCPUキャッシュで高速化したRDBMS新版を出荷)と「HP Vertica AnalyticsPlatform」(関連記事:HPがカラム指向DBベンダーのヴァーティカを買収、DWH分野を強化)を利用できるようにした。

 新版ではこのほか、ユーザーが別途開発した運用管理アプリケーションからDBMotoの複製機能を呼び出して利用できるように、APIライブラリーを、C++/C#/VisualBasicの三つの言語用に提供する。さらに、DBMS複製モジュール(.NET Frameworkアプリケーション)と管理コンソール(.NET Frameworkアプリケーション)を別のコンピュータに導入することを考慮し、これら二つのモジュール間の通信(TCP/IP)にデジタル証明書を使えるようにした(用途は、通信先の認証や暗号鍵の交換など)。

 DBMotoの価格(税別)は、ソースDBMSとターゲットDBMSのサーバースペックに依存する。最小構成例として、ソースが「Windows、Oracle DatabaseまたはSQL Server、1コアCPU×1個」、ターゲットが「WindowsまたはLinux、MySQL、1コアCPU×1個」の場合、ミラーリング(片方向の差分更新)が58万円、シンクロナイゼーション(双方向の差分更新)が72万5000円。