写真●FileZen V3.0(全3モデル)の外観
写真●FileZen V3.0(全3モデル)の外観
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 ソリトンシステムズは2013年3月6日、インターネットを介してファイルを安全にやりとりするためのファイル共有/転送アプライアンスの新版「FileZen V3.0」(写真関連記事)を販売開始する。新版では、拠点側にもアプライアンスを設置する分散構成を取ることで、WANの帯域によらず転送処理をすぐに終えられるようにした。

 FileZenを使うと、インターネット上でファイルを共有/転送できる。使い方は、ネットワーク上でフォルダーを共有する「プロジェクト」と、ダウンロードURLやパスワードを個人あてにメールで通知する「めるあど便」の二通り。プロジェクトは、社員間での情報共有に向いている。あらかじめログインユーザーごとにアクセス権限を設定しておくことで、特定部署だけが使えるフォルダーを運用できる。

 ユーザーインタフェース(UI)は、Webブラウザーの画面、Web API(HTTP POST)、モバイルアプリケーション(Android、iOS)の三種類。これらのUIを介して、アプライアンスへのログイン/ログアウト処理や、ファイルのアップロード登録/ダウンロード取得といった操作ができる。

 新版では、アプライアンスを複数拠点に分散させることによって、ユーザーによる対話型のアップロードやダウンロードの処理を、ローカルの拠点内で終えられるようにした。従来は、ファイルをアップロード/ダウンロードする際に、センター(本社など)に設置した1台のアプライアンスに対して直接転送する必要があった。これを改め、センターと各拠点から成るスター型の分散構成をとれるようにした。

分散拠点に専用子機を配置してWAN通信をバイパス

 分散構成の場合、ファイルの登録は、ローカルにあるアプライアンスにアップロードするだけで完了する。この後で、拠点側のアプライアンスからセンターのアプライアンスへと、非同期でデータを同期する仕組み。

 ファイルを取得する際も、共有フォルダーの使い方をしている場合は、ローカルのアプライアンスから取得できる。センター側から、必要に応じて更新データを個々の拠点に反映する仕組みになっている。

 一方、ダウンロードURLをメールで通知する使い方の場合は、ファイル登録は拠点内で完結するものの、ダウンロードURLはセンターのものとなり、センターからWAN経由でダウンロードする必要がある。

 最大ユーザー数やハードウエア仕様に応じて、(1)大規模モデル、(2)中規模モデル、(3)子機専用モデル、の3モデルを用意した。分散構成で運用する場合は、センター側には必ず大規模モデルが必要で、拠点側は必ず子機専用モデルでなければならない。

 概要と価格(税別)は以下の通り。(1)大規模モデル「FZ-DX51-A」は、最大2万ユーザーまで対応し、データ容量はRAID 5構成で2Tバイト。価格は440万円。(2)中規模モデル「FZ-ST81-A」は、最大1000ユーザー(ライセンス追加によって最大2000ユーザー)で、データ容量はRAID 1構成で320Gバイト。価格は188万円。(3)子機専用モデル「FZ-SX04-A」は、ユーザー数は親機に依存し、ディスクレス。価格は28万円。