日本オラクルは2013年2月28日、報道関係者・アナリスト向けに同社のストレージ製品の最新動向に関する説明会を開催。新しいストレージ管理ソフトの「Oracle Snap Management Utility for Oracle Database」と、新テープドライブの「StorageTek LTO 6 Tape Drive」について発表した（関連記事）。
最初に登壇した宮坂美樹氏（写真1）は、「ビックデータがバズワードでなくなった昨今ではストレージが重要性を増している」とし、日本オラクルとしてユーザーにストレージまで含めた統合的なソリューションを提供していくとした。そのための具体的な戦略としては、一つのきょう体の中だけでなくNAS・SAN・テープ装置などのストレージ全体での階層化と、Oracleに最適化した「Oracle on Oracle」という二つの方針を推進していくとする。
続いて登壇したストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏（写真2）が新ストレージ管理ソフトの「Oracle Snap Management Utility for Oracle Database」について説明。このソフトは同社のNAS製品であるSun ZFS Storage ApplianceとOracleデータベースとを一括に管理するためのソフトウエアである（写真3）。ZFSに対するOracleデータベースのスナップショットやクローンの作成やリストア、ロールバックといった管理がWebインタフェースの画面から簡単に実行できる。「前後のDB処理を除くと、ストレージのスナップショットやクローニングは数秒で終了する」（阿部氏）という。
そのほかに、データベースのプロビジョニングを実行する際に、ストレージ領域の拡張についてもシームレスで同時実行できるようになっている。従来はデータベース管理者とストレージ管理者の両者で作業する必要があった一連の流れを自動化することで、管理工数が大幅に削減する。
最後にプリンシパル・セールス・コンサルタントの中西国和氏（写真4）が、「テープの分野でも技術革新が激しい」と語り、新テープドライブの「StorageTek LTO 6 Tape Drive」の特徴を説明した。新製品で採用している最新規格の「LTO6」ではテープ1巻当たり非圧縮時で最大2.5Tバイト（前規格のLTO5では1.5Tバイト）のデータを保管可能にしている。さらに、データ圧縮率をそれまでの2倍から2.5倍に向上させ、圧縮時で最大6.25Tバイト（LTO5では3Tバイト）の大容量データを保管可能にした。
データ転送速度も、LTO5の140Mバイト/秒から160Mバイト/秒に向上させ、「以前はディスクよりやや遅かったが、（LTO6は）ディスクより転送速度が速い」（中西氏）と性能向上を説明。新たに酸化しないバリウムフェライト製のテープも登場したことで「30年間の長期保存も可能」（中西氏）とテープストレージを利用するメリットをアピールした。
価格は、Oracle Snap Management Utility for Oracle Databaseが管理コントローラ当たり44万8370円～（税抜き）。StorageTek LTO 6 Tape Driveは73万8587～243万8045円（税抜き）。
