写真1●Eugrid CloudDockの利用画面(オンラインストレージ上のデータ一覧、オンライン/オフライン切り替えボタン、同期状態、などが分かる。提供:丸紅情報システムズ)
写真1●Eugrid CloudDockの利用画面(オンラインストレージ上のデータ一覧、オンライン/オフライン切り替えボタン、同期状態、などが分かる。提供:丸紅情報システムズ)
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写真2●Eugrid CloudDockのログイン画面(Eugrid CloudDockを使うかどうかを選択してログイン。提供:丸紅情報システムズ)
写真2●Eugrid CloudDockのログイン画面(Eugrid CloudDockを使うかどうかを選択してログイン。提供:丸紅情報システムズ)
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 Eugridは2013年2月25日、クラウド上のデータだけを利用してアプリケーションを実行できるようにするソフト「Eugrid CloudDock」(写真1写真2)を発表した。ローカルディスクへの書き込みキャッシュ技術とオンラインストレージ技術という、二つの異なる技術を組み合わせることで、ネットワークを接続していない状態でもローカルディスクにデータをいっさい保存せずに実行できるのが特徴である。2月26日に出荷する。

 Eugrid CloudDockの提供する機能の一つは、クライアント端末(Windows/iOS)で利用するデータ(文書ファイルなど)を、オンラインストレージに保存するというものである。データをクライアント側に置かずにサーバー(オンライン)側に置けば、クライアント機を紛失してもデータが漏えいしない。さらに、会社のWindows機と自宅のiPadなど、複数のクライアント機からデータを共有できるメリットがある。

 これにもう一つ、ネットワークがつながらないオフライン環境でも、オンラインストレージ上のデータにアクセスできるようにするキャッシュ機能を併用する。クライアント側に用意したキャッシュ(ハードディスクの代わりとなるメモリー領域)に、オンラインストレージ上のデータを同期しておくことによって実現する。

 クライアント側では、オンラインとオフラインの二つのモードをボタンで切り替える。オフライン状態にすると、クライアント上のキャッシュだけを利用する形になる。操作するのはメモリー領域だけで、クライアント機の物理ドライブ(ハードディスクやSSD)にはデータを保存しないので、クライアントの電源を切るとデータが消える。これにより、クライアント機を紛失してもデータが漏えいしない。

 稼働環境は、以下の通り。サーバーソフトの稼働OSは、Windows Server 2008 R2/2012。サーバー側では別途、管理データ格納用のSQL Server 2008 R2(Express)と、業務データ格納用のNAS(ファイルサーバー)が必要になる。一方、クライアントソフトの稼働OSは、Windows XP/Vista/7/8、iOS 6.1以降(iPad2以降)。

既存ソフト「Eugrid SecureDesktop」などを応用

 なお、Eugrid CloudDockは、同社の既存ソフトを応用した製品である。例えば、「Eugrid SecureDesktop」(関連記事)は、ローカルディスク上にデータを残さない書き込みキャッシュソフトである。社内LANへのリモートアクセスを安全にする機能も提供する。また、「Eugrid Secure Client」(関連記事)は、クライアント側でアプリケーションを実行しつつ、データだけをオンラインストレージ(NAS)に強制的に保存するソフトである。

 Eugridによる価格(税別)はオープンだが、販売代理店の一社で2013年3月1日からEugrid CloudDockを出荷する丸紅情報システムズ(MSYS)の場合、サーバーソフトが1台当たり37万5000円、クライアントソフトが1台当たり1万5000円。MSYSでは、Eugrid CloudDockのサーバー機能をSaaSとしても提供する予定である(時期は未定)。なお、Eugridによる初年度売上目標は4億4000万円。