技術ベンチャーのユーグリッドは,クライアントPCのデータ保存先をNAS(ファイル・サーバー)にすることで情報漏えいを防ぐ独自のシン・クライアント・ソフト「Eugrid Secure Client」に,外出先にパソコンを持ち出しても情報漏えい対策を維持するオプション「Eugrid Secure Client Mobile Option」を追加,2006年11月1日に出荷する。

 Eugrid Secure Clientは,業務アプリケーションをクライアントPC上で動作させつつ,業務データの保存先を強制的にNASにすることにより,クライアントPCから業務データが漏えいしないようにするタイプの情報漏えい対策ソフトである。同社はこのタイプのソフトを「ローカル・ブーツ型シン・クライアント」と呼んでいる。2006年2月に開催された「NET&COM2006」に初出展し,アルテックエーディーエスが2006年2月1日に出荷した。

 今回新たに,クライアントを社外に持ち出しても業務データにアクセスできるようにオプション・ソフトを追加した。従来のEugrid Secure Clientでは,業務データの取り扱いは,NASにアクセスするためのネットワーク接続を前提としていた。クライアントを社外に持ち出しても情報が漏えいしないが,社外で業務データにアクセスすることはできなかった。

 具体的には,社内LAN接続時にはNASを保存先とするが,社外ではUSBメモリーをデータの保存先とする。データはUSBメモリー上に格納されるため,クライアント本体のディスクにはデータが一切書かれない。これにより,クライアントPCを紛失しても情報が漏えいせずに済む。USBメモリー自体を紛失した場合であっても,USBメモリー上のデータを512ビット長の固定鍵暗号AESで暗号化しているほか,Eugrid Secure Client Mobile OptionをインストールしていないPCに接続した場合はUSBストレージを自動的にフォーマットする機能を持つ。