写真●Scalar i6000 HDの外観
写真●Scalar i6000 HDの外観
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 日本クアンタムストレージは2013年2月14日、テープライブラリー装置のハイエンド機種「Scalar i6000 HD」(写真)を発表した。テープカートリッジの収容密度を高めたことによって、ラック1台当たり約5ペタバイト、17ラックの最大構成時に75ペタバイト超のデータを格納できるようにした。2013年3月に出荷する。価格(税別)は、2ドライブ200スロットの最小構成で1200万円。

 テープライブラリー装置のハイエンド機種である。テープドライブ(最大96台)とロボットアーム(最大2台)とテープカートリッジ(最大360個)を収容するコントローラーラック(1ラックで固定)を基本に、必要に応じてテープカートリッジ(1ラック当たり最大780個)の拡張用ラック(最大16ラック)を組み合わせて使う。コントローラーラックと拡張用ラックが単一のロボット制御機構を共有する仕組みであり、拡張用ラックの増設によって容量を増設できる。

 最大構成(17ラック構成)で、1万2840個のテープカートリッジを収容する。データ容量は、LTO-6テープ使用時に最大38ペタバイト(非圧縮時)になる(圧縮時は、2倍圧縮換算で76ペタバイト)。既存のハイエンド機種「Scalar i6000」と比較すると、1ラック当たりのテープカートリッジ数を456スロットから780スロットに、拡張可能なラック数を12台から16台にして容量を増やした。さらに、ロボットアームを最大2台にしてアクセス性能を高めた。

 なお、Scalarシリーズは、米クアンタムが買収した米ADIC(アドバンスド・デジタル・インフォメーション)の製品である(関連記事)。最大の特徴は、データ量の増加に合わせて容量をスケールアップ可能なモジュール型の構成をとることである。複数ラックで構成するシステム全体を1台のテープライブラリーとして運用できるほか、テープライブラリーの内部をパーティショニング(分割)して複数台として運用することもできる。