写真1●ネットワンシステムズでデータセンター刷新を担当したシステム企画グループシステム企画本部プラットフォーム部サービス開発チームの古森浩一エキスパート
写真1●ネットワンシステムズでデータセンター刷新を担当したシステム企画グループシステム企画本部プラットフォーム部サービス開発チームの古森浩一エキスパート
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写真2●刷新後データセンターの概要図
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 ネットワーク機器販売大手のネットワンシステムズは2013年2月4日、自社業務用データセンターの刷新プロジェクトに関する説明会を開いた。ネットワンは5月に本社オフィスを東京駅前に新築される「JPタワー」に移転する予定で、これに合わせてデータセンターを刷新し、業務システム基盤を大幅に強化する。

 投資額は数億円。サーバー統合や仮想化技術の導入によってシステム運用・保守の負荷を軽減できるため、中期的にはシステム運用コストの削減に寄与するとみている。

 ネットワンがデータセンター刷新に取り組む理由は2つある。1つは、情報システムのユーザー企業として、約3000人の従業員等が使う基幹業務システムの稼働インフラを強化すること。もう1つ、機器販売時に有利になるように最新機器・ミドルウエアの運用ノウハウを蓄積する狙いもある。

 システム企画グループシステム企画本部プラットフォーム部サービス開発チームの古森浩一エキスパート(写真1)は、「まず社内でICTを利活用した、新しいワークスタイルを確立したい。そのノウハウを蓄積できたら、お客様にも提供していきたい」と説明した。

仮想デスクトップへの負荷集中を回避

 刷新後の「東京地区データセンター」は、2013年5月の本格稼働を前に、2012年12月中旬から部分稼働している。データセンター内では、サーバー仮想化技術を最大限に活用したのが特徴だ(写真2)。

 仮想化ソフトに米VMware(関連記事)の「VMware vSphere 5.1」を採用。「仮想デスクトップ」「業務系」「情報系」「メール系」など7分類されていたサーバーを1つの仮想化環境に統合した。

 従来は7分類のサーバー群が別々に運用されており、負荷が平準化されていなかった。ネットワン社内では仮想デスクトップの利用者が約1000人に上っており、仮想デスクトップサービスのためのサーバーの負荷が特に高まる一方で、メールサーバーなどのリソースには余裕があった。

 新しいデータセンターでは、これらの用途別のサーバーを仮想化環境で統合し、負荷を分散しやすくした。従業員が仮想デスクトップをスムーズに使えるようにする狙いがある。

 従業員が仮想デスクトップを使いこなせば、場所を問わず同じ業務用画面を引き出して仕事ができるようになる。ネットワンはこれまで以上に従業員に仮想デスクトップの利用を奨励する考えだ。5月の本社移転時に、仮想デスクトップ利用者が全社員に当たる約3000人まで増えるため、サーバー側の負荷集中を避けるよう、データセンター内の構成を変えたわけだ。