写真●ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏
写真●ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏
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 ヴイエムウェアは2013年1月29日、事業戦略説明会を開催し、同社 代表取締役社長の三木泰雄氏(写真)が「2013年はプライベートクラウドおよびハイブリッドクラウド、エンドユーザーコンピューティング、そして『Software-Defined Datacenter』に注力する」と述べた。

 プライベートクラウドとハイブリッドクラウドは、すでにヴイエムウェアが長年取り組んでいた分野で、同社が言うクラウド化のゴールに近い部分となる。三木氏は「すでにプライベートクラウドを導入している企業は増えている。その先にあるのがハイブリッドクラウドだ。ヴイエムウェアではハイブリッドクラウドに向けたソリューションを強化しており、今年は多くの事例を作りたい」とした。

 エンドユーザーコンピューティングは、「今一番高い伸びを示している分野だ」と三木氏は述べる。特に、仮想デスクトップの導入においては、「これまでセキュリティ対策として導入する企業が多かったが、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスにおけるコンピューティング環境を整備するために導入するケースが増えてきた」と説明。今後リモートでマルチデバイスを使うためのソリューションを強化していくとした。

ネットワークやセキュリティ、ストレージを含めDCを仮想化

 「Software-Defined Datacenter」は、米VMwareが2012年8月に開催したイベント「VMworld 2012」で発表したコンセプトで、サーバーの仮想化だけでなく、ネットワークやセキュリティ、ストレージなども含めたデータセンター全体を仮想化するというもの。「これを実現するのが、データセンター向けクラウドインフラソリューションのVMware vCloud Suiteだ」と三木氏は述べ、先進的な顧客がSoftware-Defined Datacenterを実現できるようサポートしたいと述べた。

 日本市場における具体策としては、まずコンサルティングサービスを充実させるという。ヴイエムウェアでは、「顧客のITの計画段階から参画してサポートするサービスを最近立ち上げた」(三木氏)としており、今後もサービスメニューと内容を充実させるという。

 また、現在顕著な伸びを示しているエンドユーザーコンピューティングの分野においては、ユーザーが価値を体感できるよう「新しいワークスタイルを提案していく」と三木氏。この分野のエンジニアを育成し、パートナーを支援するほか、デモ環境も整えたいとしている。

 ハイブリッドクラウドに関しては、サービスプロバイダーとの連携を強化する。三木氏は、「クラウドサービスプロバイダーの多くがヴイエムウェアの製品を利用しているのはもちろん、エンドユーザーもヴイエムウェア製品を利用していることが多い。つまりハイブリッド環境への移行も容易なはずだ」と述べ、「サービスプロバイダーへのライセンス導入のみならず、サービスプロバイダーがエンドユーザーにサービスを導入する部分においてもサポートしていきたい」とした。