写真●「遠隔操作ウイルス事件」の犯人の特徴(警察庁のWebサイトより)
写真●「遠隔操作ウイルス事件」の犯人の特徴(警察庁のWebサイトより)
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 警察庁は2012年12月12日、「遠隔操作ウイルスによる連続威力業務妨害等事件」を対象に、被疑者の検挙や事件の解決に結びつく情報提供の募集を始めた。情報提供者には、300万円を上限とする報奨金を支払う。募集期間は同日から2013年12月11日までの1年間。情報提供は警視庁・神奈川県警・三重県警・大阪府警合同捜査本部が、電話や電子メールで受け付ける(連絡先は末記のWebサイトを参照)。

 募集広告(写真)では、犯人の特徴として、「プログラミング言語『C#』を使用し『iesys.exe』を自ら作成したと考えられる」「(匿名電子掲示板の)『2ちゃんねる』を常時利用していると考えられる」「遠隔操作の命令送信に『livedoorしたらば掲示板』を利用している」といった点を列挙している。

 「遠隔操作ウイルス」事件(関連記事)を巡っては、2012年夏にインターネット上で無差別殺人予告を書き込んだとして大阪府の個人が逮捕・起訴された。だが、後に遠隔操作ウイルスを使った第三者の犯行であることが判明し、起訴されてしまった個人が冤罪で釈放される事態になった。その後、神奈川県や三重県でも同様の誤認検挙事案が発覚した。

 警察当局は真犯人検挙に向けて、「2ちゃんねるの関係先」と見なしたレンタルサーバー業者に捜査協力を求める(関連記事)など捜査を続けているが、今も解決に至っていない。報奨金付きの募集で広く情報収集することで、早期解決を図りたい考えだ。

[警察庁の発表資料]