レンタルサーバー販売代理店業務などを手がけるゼロ(札幌市)は2012年11月30日、巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」を舞台とした遠隔操作ウイルスによるなりすまし犯行予告事件に関して、警察に対する捜査協力を実施したことを報告した。

 同事件をめぐっては、11月26日に幾つかの報道機関が「威力業務妨害によって2ちゃんねる管理会社であるゼロが家宅捜索を受けた」旨を報じ、これに対して同社が27日に「そうした事実はない」と全面否定していた(関連記事:「家宅捜索の事実はない」、ゼロが2ちゃんねる遠隔操作ウイルス関連報道を否定)。

 今回の発表内容によると、「警察は犯人が2ちゃんねる掲示板に書き込んだ記録などを入手するために、弊社の環境から2ちゃんねるへログインを試みる必要があった」(ゼロ)といい、それに対する協力のために同社が警察に対してインターネット回線およびノートパソコンを提供したという。警察によるログイン試行の結果などについて同社では把握していないとしているが、「警察から29日の検証をもってゼロでの検証作業は終わった旨、報告を受けた」と説明している。

 ゼロによると、同社は「2ちゃんねるのサーバーに管理者として接続する権限もパスワード情報も持っておらず、今回の捜査協力でも2ちゃんねるのサーバーに対するログインなどは行っていない」という。

 また、「4日間の捜査協力の中で、警察が入手したパスワードによる2ちゃんねるのサーバーへのログイン依頼が何度もあった」ことを明かしつつ、(1)ログイン依頼については捜査協力の範囲を超えていること、(2)2ちゃんねるのサーバーにログインする権利を持っていないにもかかわらず、ゼロがパスワードを知っていたかのような本来あり得ない証拠が作られてしまう可能性があること、(3)サーバーが存在する米国の法律に抵触する可能性がある---などの理由により拒否したという。

 同社は、「一部報道にて『2ちゃんねる管理(代行)会社』としてゼロの名前が記載されているが、事実ではなく、BIG-server.comブランドのレンタルサーバーサービスを軸としたインターネット上の便利なサービスを開発、提供している会社である」と重ねて強調している。