米Hewlett-Packard(HP)が現地時間2012年11月20日に発表した2012会計年度第4四半期(2012年8~10月)の決算は、純損益が68億5400万ドルの赤字(1株当たり純損失は3.49ドル)だった。売上高は299億5900万ドルで前年同期の321億2200万ドルから6.7%減、5四半期連続の減収となった。

 昨年買収した英Autonomyで不正会計処理が発覚し、88億ドルの減損費用を計上したほか、パソコン事業の売上高が前年同期比で14%減少するなど不振だった。

 同社は前の四半期もEDS(Electronic Data Systems)事業の減損費用が膨らんだことなどが響いて88億5700万ドルの赤字を計上しており(関連記事)、これで赤字は2四半期連続となった。

 当期の売上高を事業別に見ると、パソコンやプリンターなどのPrinting and Personal Systems Group事業が147億8500万ドルで、前年同期から10.5%減少した。このうちパソコンが同14%減で、ノートパソコン、デスクトップパソコンともに同15%減少した。企業向け製品が13%減、消費者向けが16%減少している。プリンターは同5%減だった。

 企業向けサーバー/ストレージ/ネットワーキング(ESSN)事業の売上高は51億1900万ドルで、前年同期から9%減。ネットワーク製品による収入は同7%増加したが、業界標準サーバー(Industry Standard Servers)は同7%減、ビジネスクリティカルシステムは同25%減、ストレージは同13%減少した。

 サービス事業は87億1100万ドルで前年同期から6%減。ソフトウエア事業は同14%増の11億7100万ドルだった。

 併せて発表した2012会計年度通期(2011年11月~2012年10月)の売上高は1204億ドルで前年度と比べ5%減少した。純損益は127億ドルの赤字だった。

 なお、Autonomyの不正会計処理についてHPは同日声明を出し、「買収前の経営者による、不適切な会計処理、不実表示、情報開示の不履行がHPの内部調査で見つかった」と説明。この問題についてすでに米証券取引委員会(SEC)と英重大不正監視局(SFO)に報告しており、訴訟の準備も進めているとしている。

[発表資料(決算)]
[減損処理に関する声明]