写真●EMCジャパン マーケティング本部 本部長の上原宏氏
写真●EMCジャパン マーケティング本部 本部長の上原宏氏
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 EMCジャパンは2012年11月15日、同社が2013年中旬に提供を予定している二つの新製品について、概要を発表した。サーバーのストレージアクセスを高速化するアクセラレータ製品と、フラッシュを全面採用したストレージ製品である。これらの製品化によって、フラッシュの適用領域を拡大する狙い。

 2013年に出す新製品の一つ目は、開発コード名「Project Thunder」。外付け型のボックス装置(I/O仮想化装置)に、PCI Express接続型のフラッシュ製品「EMC VFCache」(関連記事)を大量に搭載したもの。ケーブルで接続した複数のサーバー機から、1台のボックス装置を共有して使う。これにより、個々のサーバー機は、あたかもローカルにEMC VFCacheを内蔵しているかのように利用できる。

 なお、同製品企画の前提となるEMC VFCacheとは、PCI Expressバス直結型の半導体ストレージである。他のSANストレージに対するキャッシュとしても、独立したデータ格納領域としても利用できることが特徴。外部ストレージのキャッシュとして使いながら、外部ストレージに格納する必要がないスワップや一時ファイルなどを直接格納できる。

 二つ目の新製品は、開発コード名「Project X」。基本的には、スケールアウト型(筐体の台数を増やすことで容量や性能を拡張できる)ストレージだが、内蔵するストレージをすべてフラッシュにする。既存の製品ファミリーの内蔵ドライブをすべてフラッシュに置き換えた製品というわけではなく、新たに企画した新ブランドとして投入していく。

 なお、同社によれば、米EMCのフラッシュ出荷容量は、2009年が3ペタバイト以上、2010年が10ペタバイト以上、2011年が24ペタバイト以上、と順調に増え続けている。ストレージの自動階層化(ILM)の手段として、フラッシュドライブ(SSD)製品が使われたからだ。同社では2008年2月から、ILM用途に企業向けのフラッシュドライブを提供してきた。

 今後は、ストレージのILMだけではなく、広範な用途にフラッシュを適用していく。この目的に沿って開発を表明した製品が、今回概要を発表したProject Thunderと、Project Xの二つの製品である。「Flash Everywhere(どこでもフラッシュ)を掲げ、まだフラッシュを適用していない領域にもフラッシュを適用する」(EMCジャパン マーケティング本部 本部長の上原宏氏、写真)。