韓国Samsung Electronicsが米Appleの「iPhone」や「iPad」関連のデザイン特許および登録商標を侵害したとして米連邦裁判所がSamsungに支払いを命じた巨額の損害賠償について、Appleは賠償金の増額を、Samsungは減額をそれぞれ現地時間2012年9月21日に裁判所に要請したと、複数の米英メディア(Wall Street JournalReutersFinancial Timesなど)が報じた。

 AppleがSamsungを相手取った特許侵害訴訟では、米カリフォルニア州サンノゼの連邦地方裁判所が8月24日に、SamsungによるApple特許侵害を認める判決を下し、損害賠償10億5000万ドルの支払いを命じた(関連記事:AppleがSamsungとの特許侵害訴訟で勝利、損害賠償は10億5000万ドル)。

 Appleは今回、Samsungの「Galaxy S」シリーズにおける特許侵害は市場シェア獲得を狙った「意図的な行為」だとし、故意による侵害や判決で考慮されなかった製品販売による追加損害を含め、賠償額に7億700万ドルを上乗せすることを求めた。

 一方Samsungは、AppleがSamsungの特許侵害によって損失したとする売上高の計算に誤りがあると主張。裁判ではAppleと公平に扱われなかったとして、新たに審問を開くことを要請している。裁判所がSamsungの減額要請をすべて承認した場合、賠償額は約3500万ドルとなる。

 両社は、Appleが2011年4月にSamsungを提訴したことを発端に、世界各地で特許侵害訴訟を繰り広げている。9月21日にはドイツの裁判所が、SamsungはAppleのタッチスクリーン関連の特許を侵害していないとする判決を下している。