米連邦取引委員会(FTC)は現地時間2012年8月22日、米Facebookによる米Instagram買収に関する調査の終了を発表した。FTCの承認を得たことにより、Facebookは買収手続き完了に一歩近づいたことになる。

 Facebookは新規株式公開(IPO)を実施する前の2012年4月に、Instagramを約10億ドルで買収する計画を明らかにした。Instagramはモバイルデバイスで撮った写真を手軽に加工してオンラインで共有できるサービスを運営している。当初は米Appleの「iPhone」向けアプリケーションで人気が高まり、現在は米Googleの「Android」向けアプリケーションも提供している(関連記事:Facebook、写真共有アプリのInstagramを10億ドルで買収へ)。

 買収計画を発表した当時、Facebookは2012年第2四半期の手続き完了を見込んでいたが、同買収が独占禁止法に違反する可能性があるとしてFTCが調査を行っていた。FTCは今回、「詳細な調査を踏まえ、当委員会は現時点でこれ以上行動を起こすことはない」とし、調査終了を全員一致で可決した。

 Facebookは5月18日に1株当たり38ドルでIPOを実施したが、期待した高騰を見せないまま初日取引を終了。その後株価は徐々に下がり、8月20日には一時、公開価格の半値以下に落ち込んだ(関連記事:Facebook株が一時18.75ドルに下落、公募価格の半値)。Instagramへの支払いは現金と株式で行われるため、4月時点で約10億ドルだった買収額は大幅に縮小している。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、FacebookはInstagramに現金3億ドルと約2300万株を支払う条件で合意しており、8月22日のFacebook株の終値に基づくと、買収総額は7億4700万ドルとなる。なお、買収手続き完了は年内を見込んでいるという。

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