写真1●「Oracle BPM SE」のモデリング画面
写真1●「Oracle BPM SE」のモデリング画面
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写真2●Oracle BPM SEについて説明する日本オラクルの清水照久氏
写真2●Oracle BPM SEについて説明する日本オラクルの清水照久氏
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 日本オラクルは2012年7月17日、企業が業務プロセスの管理・改善に使うビジネスプロセス管理(BPM)ツールの廉価版「Oracle Business Process Management Standard Edition(Oracle BPM SE)」を発表し、同日から提供を開始した(写真1)。価格を既存製品の約3分の1程度に抑えた。

 Oracle BPM SEの価格は1ユーザー(指名ユーザー)当たり9万1350円(税込み)で、最少100ユーザーから販売する。つまり、約900万円の初期費用でBPMツールを使えることになる。既存製品である「Oracle BPM Suite」の場合、初期費用は最少構成で3000万円程度(サーバー台数やユーザー数などによって変動する)となるため、Oracle BPM SEでは約3分の1のコストで済む。

 ただしOracle BPM SEでは販売価格を抑える分、いくつかの制約がある。Oracle BPM Suiteと比較すると、既存の社内情報システム同士を連携させるためのミドルウエアである「SOA Suite」が付かない、業務の進捗状況などをグラフ化するなどのモニタリング機能に制限がある、といった点が異なる。業務プロセス図を描く機能に関しては、Oracle BPM SEでも制限はない。

 日本オラクルFusion Middleware事業統括本部ビジネス推進本部の清水照久部長(写真2)は、「BPM関連ツールの事業は現在急成長しているが、初期コストが高く、顧客企業にとって導入の障壁が高い。導入決定をしやすくするために、新しいライセンス体系を用意した」と説明する。まずは100人程度の一部事業所や一部部門などで導入してもらい、将来的にSOA Suiteなどを含めた本格導入につなげる狙いがある。

 ビジネスプロセス管理ツールに関連して、最近になって、大手や独立系を含めた様々なITベンダーの動きが相次いでいる(関連記事1関連記事2)。日本オラクルでも、BPMツール関連の商談件数が3年前の2倍に伸びており、直近12カ月の売上高も前年を大幅に上回る勢いで推移しているという。清水部長は「10年ほど前にERPシステムを導入した企業が更新時期を迎えるなど、BPM市場が拡大しやすい市場環境にある。新しい価格体系で利用拡大につなげたい」と説明する。