写真1●小規模店舗向けSaaS型POSシステムのPOS端末画面
写真1●小規模店舗向けSaaS型POSシステムのPOS端末画面
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 NECは2012年7月10日、小規模店舗向けに既存サービスよりも価格を抑えたSaaS型POS(販売時点情報管理)システムを発表した。POS端末にタブレットを利用するなど、システムを簡素化している。2012年9月から提供する。契約する店舗(POS端末)当たりの価格(税別)は、初期費用が9800円で、月額費用が最小機能で2980円から。

 SaaS型で提供するPOSアプリケーションの一つ。主な特徴は二つある。一つは、店舗側のPOS端末として、高価なPOS専用機ではなく、汎用のタブレット(Android/iOS)を利用すること。タブレットの3G回線を使えば、別途インターネット回線を引く必要もない。もう一つは、クレジットカードだけでなく、電子マネーの決済機能を提供すること。ポイント管理などのCRM(顧客関係管理)機能も提供する。

 POS端末の操作画面としては、Webブラウザーではなく、タブレット専用のアプリケーションをダウンロードして使う(写真1)。クライアントソフトは、データ入力/表示などの操作のために使い、データはすべてSaaS側に保存する。アプリケーションの機能をカスタマイズすることはできないが、商品名や項目名などは自由に変えられる。

 店舗側には、SaaS契約のほかに別途ハードウエアが必要になる。必要なものは、タブレットのほかキャッシュドロアーやレシートプリンター。バーコードリーダー、クレジットカードリーダー、ICカードのリーダーライターなども、必要に応じて用意する。NECは、これらのハードウエア製品も提供できるという。

 なお、NECやNECインフロンティアは以前から、主として、中規模以上の店舗を想定したPOSシステムを提供してきた。小規模店舗に向けたSaaS型POSシステムもあるが(関連記事)、こちらは専用のPOS端末を用意する必要があり、価格も最小構成で月額6000円だった。今回のタブレットを使ったシステムは、より小規模の店舗に向いたサービスとなる。