写真1●左から、NTTコミュニケーションズの伊藤氏、ONFのピット氏、ビッグスイッチ・ネットワークスのアペンセラ氏
写真1●左から、NTTコミュニケーションズの伊藤氏、ONFのピット氏、ビッグスイッチ・ネットワークスのアペンセラ氏
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 今回の「Interop Tokyo 2012」の主要テーマの一つがSDN(Software Defined Network)。連日SDNをテーマとした講演が行われ、展示会場でも関連した製品が出展されている。

 6月13日の基調講演「SDN、OpenFlow とONF」もその一つで、講演者はSDNの推進団体オープン・ネットワーキング・ファウンデーション(ONF)エグゼクティブ・ディレクターのダン・ピット氏(関連記事)。講演は、同じくSDNの推進者であるビッグスイッチ・ネットワークスCEOのギド・アペンセラ氏とNTTコミュニケーションズ サービス基盤部長の伊藤幸夫氏の2人を呼び込む形で進行した(写真1)。基調講演会場には、多数の聴衆が集まり、SDNへの関心の高さがうかがえた。

 ピット氏は講演の冒頭、「新たな革命をこれから目の当たりにすることになる」と表現、SDNがいかに革新的な技術であるかを強く訴えた。そのうえで、日本は初期から開発に参加し、導入も進んでおり最もエキサイティングな国だとした。

 講演でピット氏は、SDNが生まれた背景や特徴、SDNの主要な構成技術であるOpenFlowとの関係、なぜ関心が高まっているのか、ONFが何を行っているのか、そして今後の計画について語った。
 
 SDNの生まれた背景に関してピット氏は、「ネットワークの柔軟性のなさと思い通りに動かないことに苦労してきた」とする。SDNは、ネットワーク・プロトコルの標準化の長いプロセスや実装、そしてメーカーの違いを気にせず、コンピュータのAPIを介してネットワークを初めて制御できるようにしたものだと端的に説明した。

 続いてピット氏は、SDNによってもたらされるネットワークの技術トレンドを解説。「カスタムシリコンから汎用チップ」「ハードウエアベースのアプライアンスからオープンソフトウエア」「分散型のコントロールプレーンから、集中コントロール」「プロトコルからAPIへ」とまとめた。

 ピット氏がSDNの構成要素やONFの役割などを紹介した後で登壇したアペンセラ氏は、初期から開発を共にしてきたNECの3人のエンジニア(小林氏、原氏、矢部氏)を紹介、「日本とシリコンバレーの共同プロジェクトだ」と日本の聴衆に語りかけた。

 続いて登壇した伊藤氏は、NTTグループやNECをはじめ多くの日本企業が携わったことから「世界中で具体的に進んでいるのが日本だ。日本から世界を変えていきたい」とした。また、ONFはベンダー主導ではなくユーザーの立場でもいろいろな提案が可能だとして、ONFへの参加を広く呼び掛けた。