ソフトバンクモバイルは2012年5月22日、LTE-Advancedに向けた「複数基地局間伝送方式」の無線通信システムに関する実験試験局の本免許を取得したと発表した。同日から最長2015年3月31日までの期間、東京都のお台場でフィールドにおける実証実験を実施する。利用する周波数は3.3GHz帯で、3局を設置する計画。

 同社が開発した複数基地局間伝送方式(ECO-LTE)は、隣接する二つの基地局装置同士が協調し合って端末に信号を同時に送信し、通信速度が低下しやすいセル境界の通信速度を改善するもの。同社は以前の実験で、基地局を1カ所に集中設置し、屋外アンテナのみ光回線で張り出した構成で、この協調伝送方式を実験していたが、今回は、基地局装置同士を一般的なIPネットワークで結んで実験する(関連記事)。

 これにより、ダークファイバーが利用できないエリアでの基地局にも対応できるなど、より汎用的な技術として商用サービスに利用できるようになるとしている。ソフトバンクモバイルは本実験を通じて取得したノウハウや測定データを活用し、LTE-Advancedの商用サービスに向けた準備をさらに進めるとしている。

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