米マイクロソフトと米大手書店の米バーンズ・アンド・ノーブルは現地時間2012年4月30日、バーンズ・アンド・ノーブルが電子書籍事業と大学向け事業を分離して設立する子会社にマイクロソフトが3億ドルを出資することを共同で発表した。

 新しい子会社は、バーンズ・アンド・ノーブルが展開していた電子書籍事業「NOOK」を引き継ぐ。この出資によってマイクロソフトは新会社の株式の17.6%を取得する。バーンズ・アンド・ノーブルは2012年1月、NOOK事業の分離を検討中であることを明らかにしていた(関連記事:Barnes & Noble、NOOK事業の分離を検討中)。

 今回の提携によって、マイクロソフトが開発している新OSである「Windows 8」でNOOKのサービスを利用するためのアプリケーションが提供される見込み。NOOKのサービスを利用できる電子書籍端末が増える。

 電子書籍事業は、米アップルや米アマゾン・ドット・コムなどが先行している。バーンズ・アンド・ノーブルは、マイクロソフトとの提携によって競争が激化している電子書籍事業をてこ入れする。一方、マイクロソフトは自社OS上で利用できる電子書籍サービスを増やすことができる。

 マイクロソフトとバーンズ・アンド・ノーブルは、特許侵害に対する訴訟で和解することも明らかにした。バーンズ・アンド・ノーブルと新子会社は、有償ライセンスにてマイクロソフトの特許を利用する。マイクロソフトは2011年3月、電子書籍端末に特許を侵害されたとして、バーンズ・アンド・ノーブルを含む3社を提訴していた(関連記事:Microsoft、Android搭載端末の特許侵害でBarnes & Nobleを提訴)。

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