米Googleは現地時間2012年4月3日、電子決済の技術やサービスを手がける米TxViaを買収したと発表した。Googleの電子決済サービス「Google Wallet」を補完するとしており、買収の目的は同サービスの機能拡充や顧客基盤の拡大と見られる。

 TxViaは米ニューヨーク市に拠点を置く企業。PaaS(Platform as a Service)形式の電子決済サービスを企業向けに提供しており、創業からこれまでの5年余りで1億以上のアカウントを取り扱ってきた。Googleは買収金額など詳細について明らかにしていないが、電子決済部門副社長のOsama Bedier氏は公式ブログで、「TxViaのサービスはGoogle Walletやパートナー企業の基盤となる大手決済ネットワークと連携しており、世界規模で技術革新を促進できる」と述べている。

 Google Walletは昨年9月に米国で開始したサービスで、近距離無線通信(NFC)を利用した電子決済が行える。同社のモバイルOS「Android」を搭載した端末に専用アプリケーションを入れ、店頭の読み取り機に軽くタッチすることで支払い手続きを完了する。Googleは昨年11月に、ショッピングサイトなどで支払いが行えるネット決済サービス「Google Checkout」をGoogle Walletに統合するなど、決済プラットフォームの拡大を図っている(関連記事:Google、Android端末向け決済サービス「Google Wallet」を開始)。

 なおTxViaのWebサイトに掲載されている情報によると買収手続きは4月2日に完了したもよう。創業者など幹部はすでにGoogleの電子決済部門で事業開発などの役職に就いている。

[Google公式ブログへの投稿記事]
[TxViaのWebサイト]