写真1●厚さ10Uの筐体に64個のXeonプロセッサを搭載する「SM10000-XE」
写真1●厚さ10Uの筐体に64個のXeonプロセッサを搭載する「SM10000-XE」
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写真2●SM10000-XEのマザーボード。Xeonプロセッサと32Gバイトのメモリーなどを搭載する
写真2●SM10000-XEのマザーボード。Xeonプロセッサと32Gバイトのメモリーなどを搭載する
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 ネットワンシステムズは2012年2月14日、米シーマイクロ(SeaMicro)製の高密度・省電力サーバー「SM10000-XE」(写真1)を発売した。厚さ10U(45センチ)の筐体内にクアッドコアのXeonプロセッサを64個を搭載しながら、消費電力が3.5kWと少ないことが特徴。価格は1900万円から。ネットワンはシーマイクロ製サーバーを、今後3年間で30億円販売する目標を立てている。

 SM10000-XEは、プロセッサとメモリーを搭載した小型マザーボード(写真2)を最大64台搭載する。このマザーボードは、ストレージやネットワークのI/Oを仮想化する「Freedom Fabric ASIC」というシーマイクロが開発した独自のI/Oチップを搭載しており、それぞれが独立したPCサーバーとして動作する。

 さらにマザーボードは、帯域が1.2Tビット/秒の独自インタフェースによってメッシュ状に相互接続されており、スイッチなどのネットワーク機器を介さずに通信ができる。この独自インタフェースは、通信以外にストレージ接続にも使用する。そのためSM10000-XEを使うと、通常のPCサーバーを運用するのに比べて、ネットワーク機器などに必要な消費電力を削減できるとしている。

 搭載するプロセッサは、省電力タイプの「Xeon E3-1260L」。動作周波数は2.4GHzで、4個のプロセッサコアを搭載する。また1プロセッサ当たり最大32Gバイト、筐体全体では2Tバイトのメモリーを搭載可能。ハードディスクは最大64個を搭載できる。

 シーマイクロは2010年に、ネットブック用のAtomプロセッサを使用する高密度・省電力サーバー「SM10000」を発売している(関連記事:Atomを512個搭載するデータセンター用サーバー、ネットワンシステムズが発売)。また現在は、デュアルコアの64ビット版Atomプロセッサを384個搭載する「SM10000-64HD」なども販売する。今回発売したSM10000-XEは、搭載するプロセッサをAtomからXeonに変更したものだ。

 シーマイクロの共同創立者で、プロダクトマネージメント&マーケティング担当バイスプレジデントであるアニール・ラオ氏は、「これまでのAtom搭載製品は、Webサーバーや『Hadoop』など、分散アプリケーションを対象としている。一方、Xeonを搭載するSM10000-XEは、プロセッサにより高い処理能力が求められる用途、JavaやPHPのアプリケーションサーバーや、分散メモリーキャッシュである『memcached』などでの利用を想定している」と述べている。

 また日本の販売元であるネットワンでは、仮想デスクトップ環境(VDI)のインフラとして、SM10000-XEを売り込むとしている。