図●世界主要OEMの半導体支出額推移(単位10億ドル)/出典:IHS iSuppli
図●世界主要OEMの半導体支出額推移(単位10億ドル)/出典:IHS iSuppli
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 「世界の半導体市場で、スマートフォンやタブレット端末など無線通信機器向け半導体の需要が伸びており、パソコン向け半導体の需要を上回っている」――。こうした調査結果を電子機器・部品の市場調査会社、米IHS iSuppliが現地時間2012年2月1日に公表した。

 それによると、2011年における世界主要OEMの無線機器向け半導体の支出額合計は前年比14.5%増となり586億ドルに達したが、パソコン向けは同4%増の537億ドルにとどまった。

 IHS iSuppliによると、2009年も無線機器向け半導体がパソコン向けを上回ったことがあり、この現象は初めてではない。しかし「2011年は今後この傾向が続くことを示す決定的な年になった」(同社)。同社の予測によると、2013年に無線機器向け半導体の支出額は729億ドルに達し、これに対しパソコン向けは534億ドルにとどまる見通し。

 同社が調査対象にした合計10の半導体製品セグメントでは、無線機器の占める割合が24%と最も大きかった。中でも、スマートフォンをはじめとする携帯電話が大きなシェアを占めたほか、タブレット端末も需要増に寄与したと同社は分析している。

 タブレット端末に限って見ると、2011年はAppleが「iPad」向けに46億ドルを支出しており、この支出額はダントツ。今後競合メーカーのタブレットがシェアを拡大していくが、この状況はしばらく続くとIHS iSuppliは見ている。Appleに次いでタブレット向け半導体の支出が多かったのは、韓国Samsung Electronicsで6億320万ドル、これに台湾HTCの1億9920万ドルが続いた(関連記事:Apple、半導体の購入金額で世界一に、SamsungとHPを上回る)。

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