KDDIは2012年1月25日、主に中小企業を対象に、同社のスマートフォンとクラウドサービス、指定する法人向けFTTHサービスをセットで利用することで、スマートフォンの月額料金を最大月額1480円割り引く「スマートバリュー for Business」を発表した(写真1)。3月1日から申し込みを受け付け、4月1日にサービスを開始する。
スマートバリュー for Businessは、同社が1月16日にコンシューマ向けに発表した「3M戦略」第1弾(3Mはマルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイスを指す、関連記事)の法人版に当たる。
同一法人名義で、(1)auスマートフォン、(2)5つのビジネスアプリを月額390円/IDで利用できるクラウドサービス「ベーシックパック」、(3)固定回線---をセットで申し込むことで、auスマートフォンの利用料金を最大2年間、月額1480円割り引く。対象となる(3)の固定回線は、今回新たに提供を始める法人向けFTTHサービス「auひかり ビジネス」、「auひかり ちゅら ビジネス」(沖縄セルラー電話が提供)、既に提供中の「KDDI 光ダイレクト」のいずれか。固定回線1契約につき、最大でスマートフォン50台までが割引対象になる。また2年間を経過した後は月額980円の割引となる。
なお、割引対象となる固定回線は、当初は上記の3サービスのみだが、今後は「KDDI Wide Area Virtual Switch」のようなWANサービスについても検討したいとしている。
「ベーシックパック」として用意したクラウドサービスは、単体で提供しているセキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」、オンラインストレージサービス「KDDI ファイルストレージ」、グループウエア「KDDI Knowledge Suite」など5つのアプリケーションをパッケージ化した(写真2)。単品のサービスとして5つのアプリケーションを利用した場合、月額1万3335円になるところを月額390円で提供する。スマートフォンのOSとしてはAndroidとiOSが対象だが、iOSは当初、KDDI 3LM SecurityとKDDI Knowledge Suiteには非対応で、追って対応するという。
100人のうち半分がスマホを使う場合で30%のコストダウン
KDDIの東海林崇執行役員ソリューション事業本部長(写真3)は、「法人ユーザーのスマートフォンの導入意向は高いが、使い方や効果、セキュリティの面で課題になっていた。今回のソリューションはこのような課題を解消できる内容で、コストを抑えながらモバイルワークスタイルによって生産性を向上できるようになる」と語る。
同社によると、従業員100人の企業でメールやグループウエアを全従業員が、うち50人がスマートフォンやクラウドサービスを利用する場合、今回のスマートバリュー for Businessを利用することで、各サービスごとに契約するよりも約30%の割引になるという(写真4)。
新たに開始する法人向けFTTHサービス「auひかり ビジネス」と「auひかり ちゅら ビジネス」は、上り下り最大300Mビット/秒で月額6720円(インターネットのみ、固定アドレス4個付与)。これまでも「KDDI 光ダイレクト」のインターネットオプションとして一部で法人向けにFTTHサービスを提供してきたが、「これまではどちらかといえば大口のユーザーを想定したメニューだった。今回は中小企業向けに導入しやすいメニューにした」(KDDI)。提供エリアは全国47都道府県。「各都道府県の中で提供エリアは若干濃淡がある」(同)という。
同社は、第2弾、第3弾の“法人版”3M戦略も準備中という。例えば、大企業向けにIDをベースにデバイス、ネットワーク、アプリケーションを統合的に提供するようなサービスを計画している。
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