写真●日本マイクロソフト リアルエステートアンドファシリティーズ プログラムマネージャーの長坂将光氏
写真●日本マイクロソフト リアルエステートアンドファシリティーズ プログラムマネージャーの長坂将光氏
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 日本マイクロソフトは2011年11月28日、同社内における節電の取り組みと成果を発表した。2011年2月に移転した品川本社オフィスでは、照明のLED化、部門ごとの消費電力の可視化、パソコンの省電力化などの施策により、移転前の前年と比べて消費電力を約34%削減した。さらに、東日本大震災後に在宅勤務などの緊急対応を行った結果、震災後の一時期は前年同時期比40%もの省電力化を達成したという。

 同社は2月に、新宿本社、代田橋オフィス、赤坂オフィス、初台オフィス、霞が関オフィスの5拠点を品川本社オフィスへ統合した。本社移転に際して、新オフィスでのエネルギー消費量を2012年までに2007年度比30%削減する目標を定めた(関連記事)。節電のための施策として、まず、オフィスの照明を省電力化した。LEDを採用したほか、オフィスフロア内の会議室にモーションセンサーを設置して無人時には自動消灯するようにした。また、机上面照度の設定を、入居ビルの標準値900~1000ルクスから350ルクスへ下げた。震災後にはさらに机上面照度を落とし、現在は250±50ルクスで運用している。

 同社 リアルエステートアンドファシリティーズ プログラムマネージャーの長坂将光氏(写真)は、「机上面照度を落としてもパソコン作業には影響がない。紙資料での作業や、色の確認など明るさが必要な作業のために、各デスクに手元を照らすためのライトを設置している」と説明する。

 また、従業員の節電への意識を高めるために、フロアごとの電力消費量を可視化する「電力可視化ソリューション」を自社開発し、品川本社オフィスへ導入した。同ソリューションでは、各フロアの分電盤に電力を計測するセンサーを設置。フロアごとの消費電力のデータをLAN経由でデータベース「SQL Server」や「SQL Azure」に蓄積し、部署別、時間別、用途別など自由に集計して電力消費量を確認できるようにした。

 こうした取り組みの結果、品川本社オフィスの消費電力は、移転前の5拠点の消費電力合計と比較して、震災前(3月1日~3月10日)平均で33.9%削減、震災後の通常業務時(3月22日~3月31日)平均で40.1%削減された。また、震災直後に緊急対応として社員の85%が1週間の在宅勤務を実施したところ、在宅勤務期間中平日(3月15日~3月18日)の消費電力は平均60.5%削減されたという。

 なお、同社が開発した「電力可視化ソリューション」のソースコードと技術情報は、12月上旬から同社サイトで公開される。データストアにSQL ServerまたはSQL Azureを使う場合に限り、誰でも無償で利用してよく、商用利用も許可する。