写真1●新社屋31階に用意する企業顧客向けスペース<br>電子会議など企業向け製品のデモなども展示する。
写真1●新社屋31階に用意する企業顧客向けスペース<br>電子会議など企業向け製品のデモなども展示する。
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写真2●30階のコンシューマビジネスを想定したスペースには来客向けに飲み物を提供するカフェも用意する
写真2●30階のコンシューマビジネスを想定したスペースには来客向けに飲み物を提供するカフェも用意する
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写真3●カフェテリア形式の社員食堂&lt;br&gt;丼もの、総菜、麺類などを選べる。
写真3●カフェテリア形式の社員食堂<br>丼もの、総菜、麺類などを選べる。
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写真4●フリーアドレスを採用した社員の業務スペース&lt;br&gt;奥に見えるのは会議用の「部室」。
写真4●フリーアドレスを採用した社員の業務スペース<br>奥に見えるのは会議用の「部室」。
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 マイクロソフトは2011年1月11日、品川に開設する新オフィスを報道陣に公開した。東京都内にある7カ所の拠点のうち、調布技術センターと大手町テクノロジーセンターを除く5拠点を統合。2月1日付けで本社と営業、マーケティングの各部門の社員、計2500人が移転する。新社屋では、社員が自由に座席を選べるフリーアドレスを大幅に採用、同社の企業向け製品を使った情報共有システムを整備するなど、顧客企業向けのショーケースとしての機能も設ける(写真1写真2)。

 新社屋はJR品川駅に隣接する品川グランドセントラルタワーに設ける。32階建ての同ビルのうち19階から31階までを使い、入り口やエレベーターはすべてマイクロソフト専用のものを使う。総フロア面積は3万6800平方メートルで、統合前の5拠点のフロア面積に比べて30%増えた。新社屋で働く2500人の社員のうち、60%がフリーアドレスで業務をするという。

 「新社屋の立地選びでは、顧客にできるだけ近い場所であることを最も重視した。その上で、社員にも働きやすい職場環境の整備を目指した」。同社の牧野益巳 社長室長は、新社屋の狙いをこう説明する。新社屋では、同社のユニファイドコミュニケーション製品「Lync」やグループウエア「Exchange Server」などを使って、オンライン会議やプレゼンス(在籍情報管理)システム、IP電話による音声統合システムなどを整備する。

 同社は社屋移転によるコスト削減効果を明らかにしていないが、「統合前は、社員のオフィス間移動回数が1日当たり5000回に上った。新社屋では、社員の移動回数を大幅に減らせる。オンライン会議などを使って、出張費用も削減できる」(牧野室長)。LED照明などを使うことで、電力などエネルギー消費量も、2012年までに07年比で30%削減する。

 新社屋には、社員からの要望を受けて新たに社員食堂を設けた(写真3)。社員の業務スペースとなるフロアには、フリーアドレス用の机に加えて、「部室」と呼ぶ会議スペースも設けた(写真4)。「フリーアドレスだけだと、居場所を喪失したように感じる社員もいるかもしれない。50~60人に一部屋の割合で“部室”を設け、部署ごとのミーティング用途などに使ってもらう」(同社)。