サードウェアは2011年10月4日、Linux環境における高可用性運用「Linux-HA」を実現するためのソフトを開発するオーストリアLINBITと国内総代理店契約を締結したと発表した。LINBITは、オープンソースソフトウエア(OSS)のデータレプリケーションソフト「DRBD」や、HAクラスター構築ソフト「Heartbeat」を開発している企業。クラスター構築ソフト「Pacemaker」開発の中心メンバーでもある。サードウェアはLINBITと提携してLinux-HAの商用サポートを提供するほか、パートナー開拓なども行う。

 DRBDは、ストレージ装置の機能を利用せずに、Linuxサーバー上で稼働するソフトとLAN/WANだけを使ってデータレプリケーションを実行するソフトである。DRBDに加えて、サーバー監視を行うHeartbeatや、アプリケーションが稼働するサーバーを切り替えるPacemakerとを組み合わせることで、サーバーに障害が発生した場合にシステムを止めずに他のサーバーにワークロードを切り替えるHAクラスターを構築できる。

 サードウェアは2008年から、LINBITの認定パートナーとして、Linux-HAの商用サポート事業を行っている。LINBITの総代理店となることで、「LINBITのサポートデータベースなどにアクセス可能になり、サポートサービスの水準を上げられるようになった」(サードウェア営業部の大塚和彦マネージャー)。

 サードウェアは日本国内で、Linux-HAのシステム構築を担当するパートナーを、現在の14社から20社へ増やすとしている。10月3日には、TISがDRBDのサポートを行うと発表した(関連記事:TISがOSS保守サービス「Tritis」開始、OTRS、Hinemos、DRBDをサポート)。

 Linux-HAのサポート料金は、ノード1台当たり年間18万円から。HAクラスターを構築するためには最低でも2台のノードが必要となるため、必要な料金は36万円となる。従来は課金単位をクラスター(2台セット)としていたが、今回からノード単位(サーバー1台ごと)に改めた。

 最もサポート料金の高い「プラチナ」(1ノード当たり年間36万円)では、電子メールによる24時間365日対応のサポートを行うほか、サポートの応答時間に関して「4時間以内」というサービスレベルも定めた。