米Googleは米国時間2011年9月13日、同社が買収した米ITA Softwareの技術を使った航空便検索サービスを開始したと発表した。現在は一部の機能のみを提供する限定的なサービスだが、今後改良を重ねて機能を拡充していくとしている。

 Googleの米国版検索サービス「google.com」で「flights from Chicago to Denver(シカゴからデンバーまでの航空便)」などと検索を行うと、検索結果ページ左側の検索種別欄に「Flights」という項目が現れる。これをクリックすると航空券のリストが表示され、希望の便の予約ボタンを押すと、航空会社のWebページにジャンプして予約手続きが行える。Googleは専用サイト「google.com/flights」も開設しており、こちらで航空券を探すことも可能。いずれもGoogleの検索技術とITA Softwareの航空便情報ソフトウエアを組み合わせたサービスだ。

 GoogleがITA Software買収し、同社の検索サービスで航空便や航空券情報を提供すると発表したのは2010年の7月。しかし旅行予約サイトの運営会社などが、ITA Softwareのソフトウエアが業界で広く採用され、航空便オンライン予約の市場で65%のシェアを持っていることなどを理由に、買収を阻止する反対団体を結成し、米司法省などに働きかけていた。

 これを受けて司法省は調査を行っていたが、2011年4月、ソフトウエアを適正な金額で他社にライセンス供与すること、研究開発を継続することなどを条件に買収を承認した(関連記事:GoogleのITA Software買収を司法省が条件付きで承認)。

 Googleによると新サービスは、同社の検索連動広告と切り離して運用しており、航空券の販売・宣伝に関する裁量はすべて航空会社に任されている。また現在は米国の一部都市間の便、エコノミークラスの往復便といった制限があるが、まだ開発の第1段階と位置付けており、今後のサービス拡充に期待してほしいとしている。

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