タブレット端末「iPad」のデザインを模倣されたなどとして、米Appleが韓国Samsung製タブレット端末のドイツ国内での販売差し止めなどを求めていた訴訟で、デュッセルドルフの裁判所は現地時間2011年9月9日、Samsungに対し同国での販売を禁じる命令を言い渡した。複数の海外メディアが報じた。

 フランスAgence France-Presse(AFP通信)によると、販売禁止の対象となったのは「Galaxy Tab 10.1」(関連記事:LTE対応Androidタブレットがドコモから10月登場、サムスン製と富士通製の2機種)。同端末については8月末に裁判所がApple側の仮処分申請を認める判断を示していた。同裁判所の判事は今回、「AppleとSamsungの製品には明らかに類似性がある」とし、先の仮処分命令を支持する判決を下した。

 一方でSamsungは「ドイツ国内での消費者の選択の自由が著しく制限される」とし、控訴の構えを示している。

 両者の法廷闘争は、2011年4月にAppleが米カリフォルニア州でSamsungを提訴したことから始まった。米Wall Street Journalによると、Samsungも同じくカリフォルニア州や、ドイツ、韓国などでAppleを提訴するなど、現在は世界9カ国で合計19の訴訟が提起されている。

 Samsungは、9月上旬にベルリンで開かれた家電見本市「IFA」で最新型の7.7型タブレット「Galaxy Tab 7.7」を発表し、会場で展示していたが、こちらについても裁判所から仮処分命令から出たため会場から製品を撤去していた。