電子書籍リーダー「NOOK」などで知られる米書店チェーン最大手のBarnes & Noble(B&N)は現地時間2011年8月18日、メディア大手の米Liberty Mediaから総額2億400万ドルの出資を受けたと発表した。2011年5月にLibertyはB&Nに対し、1株17ドル、総額約10億ドルの現金で買収すると提案しており、B&Nの特別委員会がこれまで検討してきたが結局、両社の協議は「一部出資」という形で終結した。これにより買収交渉は打ち切る。

 Libertyは、B&Nの発行済み株式の約16.6%を取得する。1株当たりの出資額は買収提案と同じ17ドル。B&NはLibertyからの出資で、急成長している電子書籍分野に積極的に投資していくとしている。

 米メディア(Wall Street Journal)は、米国株式市場全体に広がる相場の下落を受けてB&N株も17ドルを大きく下回り、Libertyが買収を断念する要因となったと報じている。一方、B&N側は当初よりLibertyの提案を低すぎると評価しており、Liberty側に提示額の引き上げを要求していた。交渉はいったん終了したが、今後Libertyからの再提案や、第三者からの好条件の提案があれば、買収の可能性は残されていると同紙は伝えている。

 B&Nは2010年8月、会社売却の可能性も含めた戦略的選択肢を検討していると発表していた(関連記事:電子書籍リーダー「NOOK」のBarnes & Noble、会社売却を検討中)。米Amazon.comの「Kindle」や米Appleの「iPad」といった競合製品との激しい競争でコストが膨らみ収益を圧迫。B&N株低迷の要因になっていた。

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