電子書籍リーダー「NOOK」などで知られる米書店チェーン最大手のBarnes & Nobleは現地時間2010年8月3日、同社の取締役会が会社売却の可能性も含めた戦略的選択肢を検討していることを明らかにした。同社の株価が低迷していることが理由で、株主価値の向上を目指すとしている。

 取締役会はすでに独立した委員から成る特別委員会を設置しており、同委員会が財務顧問や法律顧問から今後の選択肢について助言をもらう。また、同社創業者で筆頭株主のLeonard Riggio氏は、同社の買収を目指す投資家グループへの参加を検討していることを明らかにした。

 米メディア(Wall Street Journal)によると、創業者のRiggio氏の持株比率は29.4%。現在、米ロサンゼルスの資産家で投資家のRonald Burkle氏が19%を保有し第2位の株主となっている。Burkle氏は持株比率を37%にまで引き上げようとしているが、ポイズンピル(毒薬条項)によって20%以上を取得できないため、条項の無効を求めて訴訟を起こしている。

 また、電子書籍やリーダー端末の台頭が同社の書籍販売事業に影響を与えていると記事は伝えている。電子書籍端末やアプリケーションの開発、販売にかかるコストが膨らみ同社の収益を圧迫した。その電子書籍事業も米Amazon.comの「Kindle」や米Appleの「iPad」といった競合製品との激しい競争にさらされている(関連記事:Barnes & Noble、電子書籍リーダー「NOOK」の実店舗展開を強化)。

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