米グーグルは2011年8月15日(現地時間)、米携帯電話メーカーの米モトローラ・モビリティを買収することに両者が合意したと発表した。買収金額は125億ドル(約9600億円)。買収は米国や欧州などの司法の承認を受けた上で、2011年末か2012年初めになる見込み。

 モトローラ・モビリティは、2011年1月に米モトローラが分社化して発足。携帯電話やセットトップボックスなど家庭向け機器を扱っている。分社化前のモトローラは端末市場で不振に陥っていたが、Androidへのシフトをいち早く進めたことで、世界の端末市場のスマートフォンへの移行の波に乗り、復活を遂げつつある(関連記事)。

 グーグルは今回のモトローラ・モビリティの買収について、「両社の協力によってAndroidのエコシステム全体を大幅に強化でき、ユーザー、パートナー、開発者全体にメリットがある」(ラリー・ページCEO)と語る。モトローラ・モビリティの買収によって、グーグルは米アップルと同様にOSとハードの両方を持つ垂直統合体制を築くことになる。ただしAndroidのライセンスはこれまで同様にオープンのままとし、グーグルとモトローラ・モビリティのビジネスは分けるとしている。

 なおグーグルのラリー・ページCEOがポストしたブログには、「最近、米アップルや米マイクロソフトなどを含むAndroid陣営への特許訴訟によって、競争の阻害が起きている」と記されている。今回のモトローラ・モビリティの買収は、グーグルの特許ポートフォリオを強化し、特許訴訟を阻止することも目的のようだ。グーグルは最近、経営破綻した米ノーテルネットワークスの特許に対して入札したが、アップルやマイクロソフト、スウェーデンのエリクソンなどによるコンソーシアムに敗れている。

[グーグルのニュースリリース]

[グーグルのラリー・ページCEOがポストしたブログ]