写真1●KDDIの田中孝司社長
写真1●KDDIの田中孝司社長
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写真2●データARPUの上昇率は前年同期から4.3%と伸びている
写真2●データARPUの上昇率は前年同期から4.3%と伸びている
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写真3●2011年度第1四半期で66万台のスマートフォンを販売した
写真3●2011年度第1四半期で66万台のスマートフォンを販売した
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 KDDIは2011年7月25日、2011年度第1四半期(2011年4月~6月)の連結決算を発表した。売上高は対前年同期比0.1%減の8650億円、営業利益は同8.4%増の1401億円と減収増益となった。純利益は同横ばいの719億円である。移動体通信事業は減収減益となったが、増収増益となった固定通信事業で補った。固定通信事業の営業収益は165億円の黒字であり、前年同期は54億円の赤字だった。

 移動体通信事業の減収減益は、いわゆる分離プランであるシンプルコースの浸透に伴った音声ARPUの減少が足を引っ張っている。KDDIの田中孝司社長(写真1)は「他社と比べて分離プランの導入が遅れた影響が残っている。しかしauのモメンタム回復は着実に進展しつつある」と語る。

 田中社長は、auの4つのKPI(重要業績評価指標)として、解約率、MNP、純増シェア、データARPUを挙げ、それぞれ着実に改善しつつあると説明する。具体的には、解約率は前年同期比0.09ポイント改善となる0.66%、MNPは2010年度第4四半期と比べて2.8万の改善となる6.7万転出に改善した。純増シェアはUQコミュニケーションズとの合計で、2010年度第4四半期と比べて2.5ポイント上昇となる29.8%、データARPUは前年同期比100円増加となる2400円である。

 このようなau事業の立て直しの鍵を握るのが、スマートフォンへのシフトである。スマートフォンの販売増によって、データARPUの上昇率は前年同期から4.3%と伸びを見せ始めている(写真2)。「これまでKDDIはデータARPUの伸びが少ないと言われてきたが今後は期待できる。スマートフォンのシフトを本格化させることでKPIを改善できる」(田中社長)。

 同社は2011年度は、前年度から大幅増となる400万台のスマートフォンの販売を見込んでいる(関連記事)。今回の2011年度第1四半期では66万台のスマートフォンを販売した(写真3)。田中社長は「2010年度第4四半期の春商戦を越える販売台数となったのは大きな成果。直近では総販売台数の約4割がスマートフォンになっている。気持ちとしては目標の400万台を上ブレする勢いで販売していきたい」と語った。

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