インターネットイニシアティブ(IIJ)は2011年7月19日、NTT東日本/西日本(NTT東西)のNGN(フレッツ 光ネクスト)上で「インターネット(IPv6 IPoE)接続」対応の個人向けIPv6インターネット接続サービスを開始すると発表した。開始日は7月21日。

 IPv6 IPoEは、以前は「ネイティブ方式」と呼ばれていた方式のこと(関連記事)。IIJでは、既に6月1日からNGN上でのもう一つのIPv6接続方式「インターネット(IPv6 PPPoE)接続」(旧称トンネル方式)に対応したサービスを提供している(関連記事)。

 ネイティブ方式に対応するのは、新しく追加した個人向けサービス「IIJmio FiberAccess/NFサービス」。その中で、アクセス回線に「フレッツ 光ネクスト」の「ファミリータイプ」「マンションタイプ」「ファミリー・ハイスピードタイプ」「マンション・ハイスピードタイプ」「ファミリー・エクスプレスタイプ」「マンション・エクスプレスタイプ」を利用するプランが該当する。

 PPPoE接続方式によるIPv4インターネット接続も、これまで通り、併せて提供する。いわゆる、IPv4/IPv6デュアルスタックサービスとなる。IPv4グローバルアドレスに関しては、動的なアドレスが一つ割り当てられる。IPv6アドレスは半固定で、NTT東西の「ひかり電話」を契約しているユーザーは「/48」、それ以外のユーザーには「/64」が割り当てられる。

 なお、「半固定」とは、「引っ越しなどで拠点が物理的に移動するか、フレッツのサービス品目を変更しなければ、基本的にIPv6アドレスは変わらない」という意味である。

 月額のプロバイダー接続料金は2100円で、動的なIPv4グローバルアドレスを一つ割り当てる従来のサービスと変わらない。このほか、NTT東西から請求されるフレッツ 光ネクスト回線の利用料金が必要となる。

 また、ネイティブ方式ではNGN網内でユーザー同士がダイレクトに通信する「網内折り返し機能」が必須となるため、NTT東西と別途「フレッツ・v6オプション」を契約する必要がある。フレッツ・v6オプションは、ネイティブ方式の開始に合わせてNTT東西が提供を始める新しいオプションサービス。

 今回始まったサービスは、IIJの関連会社であるインターネットマルチフィードが7月21日に開始する「transix(トランジックス)」というサービスを利用したもの。transixは、NTT東西のNGN上でのIPv6インターネット接続を提供する、プロバイダー向けのローミングサービスである。

[IIJの発表資料へ]
[NTT東日本の発表資料へ]
[NTT西日本の発表資料へ]
[インターネットマルチフィードの発表資料へ]

■変更履歴
記事公開当初、第5段落にある「半固定」でIPv6アドレスを運用する方法について、「IIJ側の設備を変更する」といった記述がありましたが、これは誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2011/07/20 21:30]