米News Corporationと広告ネットワークの米Specific Mediaは現地時間2011年6月29日、Newsがソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト「MySpace」をSpecific Mediaに売却したことを明らかにした。両社合意条件のもと、NewsはSpecific Mediaの少数株主となる。

 Newsは2005年7月にオンラインマーケティング会社の米Intermix Mediaを約5億8000万ドルで買収した際に、Intermix傘下のMySpaceを獲得した(関連記事:米News,オンライン・マーケティングの米Intermixを約5億8000万ドルで買収へ)。2004年に創業したMySpaceはSNSの先駆者であり最大手の地位にあったが、徐々に「Facebook」の台頭に押され、2009年にはFacebookに首位の座を明け渡した。最近では、Facebookとの連携を高めることで、ユーザーの確保を図っていた(関連記事:MySpace、オプトインでFacebookユーザー好みのコンテンツを表示)。

 一方、Specific Mediaは1999年にTim Vanderhook氏、Chris Vanderhook氏、Russell Vanderhook氏の3兄弟が立ち上げた企業で、カリフォルニア州アーバインに本社を置き、米国および欧州各地に拠点を持つ。ディスプレイ、ビデオ、モバイル広告を組み合わせた広告手段をFortune 500企業などに提供している。

 NewsとSpecific Mediaはいずれも買収金額を明らかにしていないが、米メディア各社(Wall Street JournalNew York Times)は、Specific Mediaが支払う金額を約3500万ドルと報じている。

 MySpaceは多くのミュージシャンやアーティストが専用サイトを開設していることが特徴の一つでもある。Specific Mediaは、MySpaceをオリジナルのショー、ビデオ、音楽に最初にアクセスできる場所として発展させたいと考えている。またMySpaceのインフラを活用し、口コミ効果を狙った広告キャンペーンの導入を推進するとしている。

[発表資料(Newsのプレスリリース)]
[発表資料(Specific Mediaのプレスリリース)]