米Microsoftは現地時間2011年6月29日、米Googleのモバイルプラットフォーム「Android」を搭載した端末に関し、ハードウエアメーカーの米Velocity Microと特許ライセンス契約を結んだと発表した。これによりVelocity Microは、Android搭載タブレット端末「Cruz」などでMicrosoftが特許を主張する技術を使用することができる。MicrosoftはVelocity Microからロイヤルティを受け取るが、金額など詳細な条件は明らかにしていない。

 MicrosoftがAndroid搭載端末に関する特許ライセンス契約を結ぶのは今週に入って2件目。6月28日には耐衝撃ウエアラブルコンピュータなどを手がける米General Dynamics Itronixとの合意を発表した(Microsoftのプレスリリース)。General Dynamics Itronixは同社のAndroid搭載端末に使われているMicrosoftの特許技術について、Microsoftにロイヤルティを支払う。

 なおMicrosoftは、主要なAndroid端末メーカーの1社である台湾HTCと2010年4月に特許ライセンス契約を締結している(関連記事:MicrosoftがHTCと特許ライセンス契約を締結、Android端末での特許使用を許可)。米メディアの報道(InfoWorld)によると、HTCが支払うロイヤルティは端末1台につき推定5ドルで、相当な金額がMicrosoftに入ると見られる。しかし今週契約を結んだ2社はいずれも小規模で、Microsoftが高い訴訟費用に見合うライセンス料を期待して行動を起こしたとは思えない。

 「Microsoftの狙いは、多くの小規模なAndroid端末メーカーが恐れをなしてライセンス契約を結び、その勢いを利用して主要メーカーとの契約に持ち込むことだ」と上記メディアは指摘している。

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