米Dow Jonesが発行する金融情報誌Barron'sは、「世界で最も優秀な最高経営責任者(CEO)30人」の2011年版を発表した。2011年3月26日付電子版によるとランク入りしたのは米AppleのSteve Jobs氏、米IBMのSam Palmisano氏、米Amazon.comのJeff Bezos氏、米OracleのLarry Ellison氏など。日本人ではキヤノン会長の御手洗冨士夫氏が選ばれている。また今年新たにランク入りしたのは、英ARM HoldingsのWarren East氏や米EMCのJoe Tucci氏、ドイツDaimlerのDieter Zetsche氏など8人だった。

 Barron'sは、「AppleのSteve Jobs氏が最も優秀なCEOであると結論付けてもほぼ間違いない」としている。Appleはごくわずかなシェアしか持たないパソコンメーカーだったが、Jobs氏は数々のヒット商品を生み出し、同社を米国で時価総額2位の企業に成長させた。「Jobs氏は消費者が求めるものを消費者が気付く前に予測できる才覚がある」と評価している。

 またARM Holdingsは、消費者によく知られている企業ではないが、今や同社の設計に基づいたプロセッサは世界の大半の携帯電話に採用され、Appleの新型タブレット端末「iPad 2」など話題の製品にも搭載されている。欧州でARMを超える革新的なハイテク企業はほかにないとしている。

 一方で、今年ランクから外れた人物には、セクシュアルハラスメント疑惑に絡む問題で米Hewlett-Packard(HP)を去ったMark Hurd氏や、業績不振で投資家を失望させた米Cisco SystemsのJohn Chambers氏がいるとしている(関連記事:HPが取締役会を大改造、3月に4人が退任へ)。