米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2011年1月20日、取締役会の再編について発表した。3月に開催する株主総会で、4人が取締役会を去る。前最高経営責任者(CEO)のMark Hurd氏が昨年8月にセクシュアルハラスメント疑惑で辞任した事件の影響を払拭するのが狙いと見られる。

 まず、1月21日付で新たに5人を加え、総メンバーを17人とする。この5人は3月の株主総会で再選候補者に推薦される。現職のうちJoel Hyatt氏、John Joyce氏、Robert Ryan氏、Lucille Salhany氏の4人が再選候補に出馬しないため、取締役は合計13人となる。

 新メンバー参加について取締役会非常勤会長のRaymond J. Lane氏は、「外部からの人材のさらなる多様化とノウハウ拡大を図るため」と説明している。

 HPは昨年、Hurd氏からセクシュアルハラスメントを受けたとする元契約社員の申し立てにより調査を実施。その結果、同氏の行動はセクシュアルハラスメント規定に違反していないものの、社員の行動規範に違反していたと判断した。これにより、Hurd氏は会長、CEO、社長を辞任し、HPを退社した。新CEOには、ドイツSAPの元CEOであるLeo Apotheker氏が昨年11月に就任した(関連記事:HPが新CEOを選出、SAP前CEOのApotheker氏)。

 米メディア(Wall Street Journal)によると、取締役を退任予定の4人は、Hurd氏の解任に深くかかわったという。HPは同氏解任の決定と多額の退職金に関して複数の株主から訴訟を起こされている。Lane氏は今回の取締役会再編について「HPを前進させるために予期されたことであり、必要だ」と述べた。

 なおHurd氏は、HP退社後、米Oracleの共同社長兼取締役に迎えられた(関連記事:前HP CEOのマーク・ハード氏、オラクル社長に就任)。

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