米コネチカット州は米国時間2011年1月28日、米Googleの「Street View」サービス向け撮影車両で一部個人データを取得していた問題について、同社と和解交渉に入ることで合意に達したと発表した。
Googleは2010年5月、地図検索サービス「Google Maps」のStreet View機能用の画像を撮影する車両で、パスワード保護されていないWi-Fiネットワークから個人データを収集していたことを認める発表を行った。同社は当初、情報収集は手違いによるもので、収集してしまったペイロードデータは断片だけとしていた。しかし10月には、完全な状態の電子メールやURL、パスワードも一部含まれていることが判明したとして、改めて謝罪した(関連記事:Google、Street View車両でパスワード情報なども取得したことを認める)。
コネチカット州はこの件について6月から調査に乗り出す姿勢を表明し、7月には同州を含めた約40州共同でGoogleに質問状を送付した。さらに12月にはGoogleに対して取得したデータの提出を求める民事調査請求を発行した(関連記事:GoogleのStreet View問題、コネチカット州が収集データの提出を要請)。コネチカット州の主張によると、同州が収集データにアクセスすることをGoogleが拒否したため、召喚状に相当する民事調査請求の発行に踏み切った。
しかし今回の合意により、コネチカット州および関連各州は訴訟手続きには移らず、Googleと和解に向けた交渉を進めることになる。米国の消費者保護団体Consumer Watchdogはこの発表を受け、「歴史上最も重大なプライバシー侵害事件の詳細を密かに示談で処理するべきではない」と非難の声明を発表している。
米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Street View車両による情報収集問題を巡っては、米連邦通信委員会(FCC)が昨年11月に調査を行うことを表明し、米連邦取引委員会(FTC)は調査を終え、Googleが再発防止のための十分な措置をとったと判断した。一方ドイツ、韓国、フランスなど国外当局による追及は続いている。
[コネチカット州のプレスリリース(PDF文書)]
[Consumer Watchdogのプレスリリース]