米Googleによる米Groupon買収について両社が協議していたが、交渉は決裂したと米英メディア各社が報じた。米国時間2010年12月3日に両社は話し合いを打ち切ったという。同買収案は先週中に合意に達すると見られていた。

 メディア各社は11月30日に、Googleが50億~60億ドルの買収額を提示していると報道。交渉が決裂する可能性はあるとしながらも、近いうちに成立する見通しだとしていた(関連記事:GoogleがGroupon買収で交渉中と米メディアが報道、今週中にも合意か)。

 Wall Street Journalが報じた関係筋の話では、Googleの買収案について、Grouponの取締役会は賛成派と反対派に別れたという。同社は独立会社として運営を継続し、将来株式公開することも視野に入れて検討しているようだ。

 Grouponはクーポン共同購入サイト「Groupon」を運営する新興企業。2008年11月にサービスを開始した同サイトでは、食事や商品購入に関する割り引き情報を提供し、一定数の購入希望者が集まった場合にクーポンを配布する。同サービスは急速な成長を遂げており、米Accel Partnersなど複数のベンチャーキャピタルから、これまで約1億7000万ドルを調達している。

 Financial Timesの報道によれば、Googleの提示額は高すぎるとの批判もあったが、Grouponの今年の年間売上高は5億ドル以上と見られ、20億ドルと予測する者もあり、同社の企業価値を査定するのは非常に難しいとしている。

 米Yahoo!もGrouponに関心を寄せ、約20億ドルを支払う提案をしたが、金額が低すぎるとしてGroupon設立者に拒否された。GoogleはGroupon買収により、地域広告分野における地位の確立を図ろうとしていた。同社は同様の狙いで、地域レビューサイトの米Yelpを買収しようと2009年に交渉したが、合意に至らなかった。