米Googleが米Grouponの買収に向けて交渉しており、近いうちに結論が出そうだと、米メディア各社が米国時間2010年11月30日に報じた。米New York Timesは関係筋の話として、買収額は50億~60億ドルに上り、今週中にも合意に達する見通しだと報じている。ただし交渉が決裂する可能性もある。

 米CNET News.comの報道によると、Googleは53億ドルを提示したという。交渉が成立すれば、Googleにとって最も大規模な買収となる。これは、米DoubleClick買収にかかった31億ドルをはるかに上回る金額だ。

 Grouponはクーポン共同購入サイト「Groupon」を運営する新興企業。2008年11月にサービスを開始した同サイトでは、食事や商品購入に関する割り引き情報を提供し、一定数の購入希望者が集まった場合にクーポンを配布する。同サービスは急速な成長を遂げており、米Accel Partnersなど複数のベンチャーキャピタルから、これまで約1億7000万ドルを調達している。

 New York Timesの記事によれば、Googleのほか米Yahoo!もGrouponに関心を寄せ、約20億ドルを支払う提案をしたが、金額が低すぎるとしてGroupon設立者に拒否された。Googleも当初30億~40億ドルを提示したが、Grouponの抵抗に遭い、金額を引き上げたという。

 GoogleはGrouponを獲得することで地域広告分野における地歩を固めようとしている。同分野では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイトの米Facebookが、位置サービスとクーポンを組み合わせた特典情報機能を導入している(関連記事:Facebook、現在地周辺のクーポンを取得できる新たなモバイル機能)。