スマートフォンやモバイルブロードバンドの進展によって、モバイルトラフィックは増加の一途をたどっているが(関連記事)、それを裏付ける国内の統計データが公表された。

 総務省は2010年11月18日、移動体通信事業者5社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、UQコミュニケーションズ)と協力し、日本のモバイルトラフィック量を集計したデータを明らかにした。これは総務省で議論が進む「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ」の会合の中で、モバイルトラフィック増加の実態を分析するために調査したもの。これまでモバイルのデータ通信に関する、国内のまとまった統計は存在していなかった。

 調査は2010年6月と9月の2回実施。2010年9月分の5社合計の月間延べトラフィック量は、2万3078Tバイトであり、平均トラフィックは71.2Gビット/秒である。6月時点での調査から平均トラフィックは13.2%増加したという。わずか3カ月で13%ものトラフィックが増えた形だ。1加入者に換算すると、月間で202.8Mバイトのデータをやり取りしていることになる。

 このほか曜日・時間単位のトラフィックの推移も分析。平日・休日とも22時から24時にかけて急速にトラフィックが増大していたり、平日は昼休みに一時的なピークが発生していたりする様子をグラフなどの形で紹介した。

 調査は、各移動体通信事業者の中継パケット交換機(GGSN)にて計測・集計した。事業者内で折り返してインターネットに出ないiモードのような通信や携帯メールのトラフィック、フェムトセルを経由したトラフィック、MVNO(仮想移動体通信事業者)によるトラフィックも含むという。回線交換を使う音声トラフィックや第2世代携帯電話のトラフィックは含んでいない。総務省では、今後も同様の調査を定期的に実施していくという。

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