インターネットイニシアティブ(IIJ)は2010年11月9日、インフォテリアとクラウド分野で協業すると発表した。インフォテリアが開発したiPhone/iPadやAndroid端末向けのコンテンツ配信ソフト「Handbook」のライセンス提供を受け、自社のクラウドサービス「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」にSaaS型メニューとして追加する。2010年12月から提供を始める。

 Handbookを使った新メニューでは、既存の社内文書やカタログをモバイル端末から手軽に共有・閲覧できる環境を整えられる。ユーザーごとに専用の仮想サーバーを用意する。VPNによる接続や独自ドメインでの運用もオプションで提供する。セキュリティーも強化できる。例えば、端末管理サービス「Smart Mobile Manager」を使うことで、Handbookを搭載した端末を紛失した場合でも遠隔操作でデータを消去できる。

 料金はユーザー数1000人まで、コンテンツを保存するディスク容量が2Gバイト以下の基本コースが月額10万円。ユーザー数無制限、ディスク容量500Gバイト以下で月額26万円のコースも用意する。インフォテリア自身もこれまでHandbookをSaaS型サービスとして提供していたが、中小規模の利用を想定したユーザー数500人まで、ディスク容量500Mバイト以下のコースしかなかった。

 IIJ GIOスマートモバイルソリューションはiPhone/iPadをはじめとするモバイル端末を企業の業務用端末として使えるようにするクラウドサービス(関連記事1)。一方のHandbookは既存のPDF/Ofice文書や画像などを使ってコンテンツを手軽に作成し、モバイル端末に配信するソフトである(関連記事2)。

 今回の協業を、IIJはクラウドサービスの拡販につなげたい考え。インフォテリアにとっても、自社では対応が難しかった大規模な顧客や高いセキュリティーを求める顧客にHandbookを売り込めるメリットがある。