写真●同日開催された発表会でのSmart Mobile Managerサービスの説明資料から
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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2010年9月30日、モバイル端末を企業の業務用端末として使えるようにする新ソリューション「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」を11月1日に開始すると発表した。このソリューションは、iPadなどから社内ネットワークまたはIIJのクラウドサービスに閉域でアクセスして、既存のWindows業務アプリケーションを利用できるようにする。また、モバイル端末の紛失時対応などのデバイス管理を可能にする。

 IIJ GIOスマートモバイルソリューションは、提供中または今後提供が始まる製品・サービスの組み合わせで構成される。同日発表された新製品・新サービスは、「モバイルWi-Fiルータ」と「Smart Mobile Manager」の二つである。

 モバイルWi-Fiルータは開発中の製品で、NTTドコモのネットワークを使う「IIJモバイルサービス/タイプD」に対応する3G通信モジュールを内蔵。伝送速度は下り最大7.2M/上り最大5.6Mビット/秒で、4時間以上利用できるバッテリーを持ち、同時に5端末以上を接続できるものを考えている。価格は、2年レンタルの場合で月額800円程度を想定している。

 Smart Mobile Managerは、iPadや各種スマートフォンを遠隔操作してセキュリティ対策やデバイス管理を実施できるようにするサービス(写真)。iOS、Android、Windows Mobileに対応する。サービス開始は11月(日にちは未定)で、当初はiPad向けのリモートワイプ(遠隔からのデータ消去)だけを試験サービスとして無償提供する。2011年3月以降に機能を拡充し、有償の正式サービスにする。提供予定の機能は、端末設定、搭載機能の有効化/無効化、設定状態の管理や診断、端末のロック、ソフトウエアのインストール/アンインストール、データのバックアップとリストアなど。料金は、100台で使うケースで初期費用が数万円、月額料金は1台あたり数百円を想定している。

 このほか同ソリューションには、既存サービス、あるいはその組み合わせによるサービスが含まれる。「IIJモバイル」と「IIJダイレクトアクセス」は既存のサービス。前述のモバイルWi-Fiルータを組み合わせると、無線LAN機能を搭載したiPadを社内ネットワークやIIJ GIOのクラウドサービスに閉域で接続できる。「Mobile Application Gateway」は、提供中のサービスである「IIJ GIO仮想デスクトップサービス」および「IDゲートウェイ」を組み合わせたもの。IIJが提供する「XenAppサーバ」、および端末にインストールするクライアントソフトの「Citrix Receiver」を使用して、iPadなどから既存のWindows業務アプリケーションを利用できるようにする。Mobile Application Gatewayの料金は、100ユーザー(同時接続25ユーザー)が利用するケースで、初期費用18万5000円から、月額料金25万8000円から(税別)。

 同ソリューションの開始にあたり、IIJは米アップルと販売代理店契約を締結した。これを受けて、同社はiPadのWi-Fiモデルを販売する。iPadの販売、ネットワーク、セキュリティ、業務アプリケーションのゲートウエイなどをワンストップで提供するのが狙いである。